ちゃんとガラスの靴を用意していますか?
- 2022.07.22
- マーケティング
こんにちは、BMP講師の後藤です。
本日は、有名な物語「シンデレラ」のワンシーンから。
シンデレラは皆さんも映画や本などで親しんできたかと思います。
シンデレラは召使いのように扱われていましたが、
魔法の力で美しいドレスやガラスの靴を用意してもらい、
王子様の開く舞踏会に行けるようになりました。
シンデレラのあまりの美しさに王子様は虜になってしまいました。
しかし、魔法が使えるのは深夜0時まで。
2人がダンスに夢中になっていると、
気付けば0時まであと少ししかありません。
シンデレラは慌てて舞踏会を後にしました。
ガラスの靴を片一方だけ残して…
とても印象的なシーンですね。
実はここにマーケティングに活かせる教訓が隠されています。
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シンデレラが王子様を残して去った後、何が起こったでしょうか?
なんと王子様は、シンデレラに会いたいがために
ガラスの靴にぴったり足が入る女性を町中探し回ったのです!
一国の王子がなんて無謀なことを…
これほどまでに王子様を夢中にさせた要因は2つあります。
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1.デッドライン(締め切り)の設定
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夢のような楽しい舞踏会も、
深夜0時までのタイムリミットがありました。
想像してみてください。
永遠に続く舞踏会やパーティーって楽しめそうでしょうか?
…きっとすぐに飽きてしまうかと思います。
締め切りがあるからこそ、
その瞬間により価値を感じられますよね。
また、人は締め切りを設定しないと中々動けないものです。
そのことを分かっているマーケターは、
LPや広告文に「期間限定」の文言を入れたり、
「タイマー(カウントダウン)表示」をしたりして、
顧客(ペルソナ)の購買行動を促進させようとします。
また、デッドラインは、「期限」の他にも
「◯個限定」のように「数量」で示すこともあります。
販売戦略に「デッドライン」を組み合わせることで
より効果的に顧客を動かすことができるでしょう。
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2.トレース(足跡・痕跡)を残すこと
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シンデレラは、王子様の目の前で
ガラスの靴を片方だけ残して消え去りました。
もし何も残さず消え去っていたら、
王子様はこんなにシンデレラを探し回ったでしょうか?
姿はなくなっても、靴は残っている…
「もしかしたら、もう一度会えるんじゃないか…」
ガラスの靴に焼きついた思い出が、
王子様の脳裏から離れなくなったのです。
ここから学べる大切なことは、
顧客の「もっと知りたい」気持ちを引き出し、大切にすることです。
トレース(ガラスの靴)は残し、全てを説明してはいけません。
シンデレラは特別なことは何もしていません。
ただ靴を残して消え去ることで、
王子様の「何としてでもシンデレラにもう一度会いたい」
という気持ちを強めました。
このように、全体の一部を隠して達成したい欲求を高める心理効果を
「ツァイガルニク効果*」といいます。
*ドイツのゲシュタルト心理学者クルト・レヴィンの
「人は欲求によって目標指向的に行動するとき 緊張感 が生じ持続するが、
目標が達成されると緊張感は解消する」という考えに基づき、
リトアニア出身で旧ソビエト連邦の心理学者ブリューマ・ゼイガルニク
(1901年11月9日 – 1988年2月24日)が
「目標が達成されない行為に関する未完了課題についての記憶は、
完了課題についての記憶に比べて想起されやすい」
との事実を実験的に示したことから名付けられました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%84%E3%82%A1%E3%82%A4%
E3%82%AC%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%82%AF%E5%8A%B9%E6%9E%9C
引用:wikipedia
人は完了したことよりも、未完了のものに注意を向ける特徴があります。
テレビなど盛り上がったところでCMへ切り替えたり、
様々な広告クリエイティブでも「続きを見る」など、
同様のテクニックがたくさん使われていますね。
この「もっと知りたい(達成したい)」を引き出すことに関しては、
このような事例もあります。
とある駄菓子屋さんのマーケティング戦略です。
店内はそんなに広くないんですが、
ど真ん中にひときわ目をひく金色の大きな商品が…!
その名は「プレミアムうまい棒」
値段はなんと、1,650円!
しかも、「謎のおまけ付き」の文言が…
なんだか気になる(笑)
普段うまい棒は買わないのですが、
面白いし裏側が知りたいと思ったので購入してみました♪
ここから学べたことは以下の3点でした。
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1.パッケージの工夫
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金色のド派手なパッケージがとにかく目立つんですよね。
店内で1つだけ浮いてるような感じでした(笑)
うまい棒の値段は通常12円。
プレミアムうまい棒も20円です。
中身はプレミアムうまい棒20円が3種類 x 7本ずつなので、
頑張っても420円。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、
まさに謎のおまけが入っていました(笑)
ですが、パッケージにこれだけ工夫をすれば、
価格との整合性や納得感が出てきます。
たくさんの企業がパッケージにこだわる理由も分かりますね。
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2.価格のセンス
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うまい棒が1,650円は高く感じます…。
ですが、値段のつけ方がすごくうまいなと思います。
なぜなら高いもの=良いものと思われる傾向があるからです。
「これだけ値段が高いなら良いものなんだろう」と、
期待感を抱いたりすることもあるかと思います。
パッケージのプレミアム感との相乗効果も狙い、
この辺りも計算されて値付けされているのかもしれません。
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3.配置の工夫
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周りには馴染みのある商品が山積みされている中で、
店内のど真ん中に1つだけ配置。
私の推測にはなりますが、
おそらく店頭に並べる数は1つにしているのかな?と感じました。
たくさん並べてしまうと「プレミアム感」がなくなりますしね。
もっとも魅力的に見えるように演出すること
はとても大切だなと感じました。
このような複数の要素を上手に活かして、
戦略を立てられているんだなという印象を持ちました。
このような中身を知りたくなるお楽しみ系もよく見かけますよね♪
セールスライティングに、
商品の企画に、
売場作りに、、、
様々なシーンで役立てていきましょう!
p.s
「もっと知りたい!」「中身が気になる」と思わせる
商品の売り出し方ってとても参考になりますよね^^
どこまで情報を出して、どんな続きを見せるのか。
世の中の様々な広告に工夫が見られることに気付きます。
「誰に」
「何を」
「どのように」
伝えるのか、日々研究あるのみですね!
ぜひ皆さんもたくさん研究を積み重ねて活用されて下さいね♪
きっと面白い世界が開けるはず…!!
本日もありがとうございました♪
後藤