Webマーケティングの成果を見える化|効果測定と費用対効果の高め方
- 2025.05.02
- マーケティング

「Webマーケティングが重要なのはよくわかるけど、お金をかけてまでやるほど必要?」
「せっかくお金をかけてもすぐ効果がでないなら意味がないんじゃないか?」
Webマーケティングを検討する中でこのような疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。
その気持ち、よくわかります。率直にいえば、Webマーケティングを行ったからといって、
必ずしも目に見える効果がすぐに得られるわけではありません。
しかし、だからといってWebマーケティングは不要だと決めつけるのは早急です。
なぜなら、効果が見えていないだけ、という場合もあるからです。
本記事では、そんなわかりづらいWebマーケティングの費用対効果について、効果測定の仕方を含めて解説していきます。
Webマーケティングにおける費用対効果

まずはWebマーケティングにおける費用対効果をきちんと理解しましょう。
費用対効果というのは、かけた費用に対して、どのくらい効果が出ているのかという意味です。
この、効果の部分をどのように捉えるのか、という点がとても重要です。
まずは指標として最も一般的な、ROASとROIについて説明します。
ROAS
ROASはReturn On Advertising Spendの略で、広告費用対効果や広告費回収率と訳されます。
計算する式を確認してみましょう。
ROAS=売上÷広告費×100(%)
広告費をかけて得られた売上と、かけた広告費の比率であることがわかります。つまり、どのくらい広告費をかけてどのくらい売上ができたか(広告費を回収できたか)を示す割合ということです。広告を比較する際には、ROASを比較することで、広告の費用対効果を比較することができるというわけです。
ROI
ROIはReturn On Investimentの略で、投資に対する利益を意味します。
計算式は以下の通りです。
ROI=利益÷総投資額×100(%)
ROASとの違いは、売上ではなく利益を計算する点です。投資額は広告費とイコールになる場合も多いので、ここでは同じように理解してください。
売上ではなく利益が、支払った額に対して出ているかどうかを示す指標なので、マーケティング戦略全体を評価する指標として用いられます。
Webマーケティングの費用対効果が見えない原因
ここまで説明したROASとROIについて整理してみました。
ROAS | ROI | |
---|---|---|
式 | ROAS=売上÷広告費×100(%) | ROI=利益÷総投資額×100(%) |
特徴 | ・広告の費用対効果として利用 ・広告の比較に効果的 ・広告からの売上算出が必要 | ・マーケティング戦略全体の評価に利用 ・施策全体の利益の有無がわかる |
つまり、これらの指標は効果の部分を「売上」や「利益」の額で測っているということです。
いずれも金額ベースで計算されるため、費用対効果として理解しやすい指標です。
しかし、これはあくまでも売上として数字が表せる場合に限ったものです。
では例えば、認知度を上げたいと思って行った施策について、効果をどう測るのでしょうか。
たしかに認知度が上がったからといって、売上にすぐ繋がるわけではありませんよね。
こうした施策の効果は、測定方法を知らないと確かにわかりづらいものです。
多くの方にとってWebマーケティングの費用対効果が感じにくい原因はここにあります。
そこで次の項目では、Webマーケティングの効果測定について説明します。
Webマーケティングの効果を見える化|効果の指標と測定
Webマーケティングでは目的に応じて様々な施策を行います。実は、その施策ごとに
効果指標が設定されているのです。これが分かれば効果を見える化できます。
【ステップ別】効果指標のご紹介
Web上での販売を目的としたWebマーケティングの場合、概ね以下の3ステップで構成されます。
STEP1 | STEP2 | STEP3 | |
---|---|---|---|
マーケティング視点 | 表示させる | 引き込む | 獲得する |
ユーザー視点 | 認知する | 興味を持つ (クリックする) | 購入する |
このステップごとに施策も指標も異なります。まずは指標の種類を知りましょう。
【STEP1】認知に関する指標
1つ目のステップはユーザーに商品を知ってもらうことです。ユーザーが広告を見ることが認知度向上に繋がることから、「広告がどれだけ表示されたか・見てもらったか」を指標とすることで、認知度を測ることができます。これを表示回数(Imp)と呼びます。
表示回数(Impression):広告がWeb上に表示された回数
【STEP2】クリックに関する指標
2つ目のステップはユーザーを引き込むことです。広告を目にしたユーザーが興味を持てば、詳細を知るためにクリックします。つまり、「どれだけクリックされたか」を指標にすれば、ユーザーがどれくらい興味を持ったかを測ることができるというわけです。
クリック数(CT/Click-Through):表示された広告がクリックされた回数
クリック率(CTR/Click-Through Rate):表示回数のうちクリックされた率
【STEP3】購入に関する指標
3つ目のステップはユーザーに商品を購入してもらうことです。広告を読んで商品が欲しいと思ったユーザーがそこで商品を購入すれば、広告が商品購入のきっかけになったといえます。そのため商品購入の数も指標になります。
コンバージョン数(CV/Conversion):成果のこと。この場合は商品購入に至った数
コンバージョン率(CVR/Conversion Rate):クリック数に対するCVの数、CVした割合
上記をまとめると以下のようになります。
STEP1 | STEP2 | STEP3 | |
---|---|---|---|
マーケティング視点 | 表示させる | 引き込む | 獲得する |
ユーザー視点 | 認知する | 興味を持つ(クリック) | 購入する |
指標 | Imp | CT、CTR | CV、CVR |
効果の指標を踏まえた費用対効果
効果の指標を踏まえて、それぞれの指標から費用対効果を考えます。
これも、先に書いたステップ別に記載していきます。
【STEP1】認知に関する費用対効果
認知に関する指標はImpで表されると説明しました。つまり認知度向上のための施策の費用対効果はImpに対する費用で説明できます。インプレッション単価(CPM)と呼びます。
インプレッション単価(CPM)=広告費÷表示回数×1000(円)
CPMは1000インプレッション当たりの単価として計算します。表示回数が増えるほどCPMが下がるので費用対効果の良い広告といえます。
【STEP2】クリックに関する費用対効果
ユーザーが興味を持った広告をクリックした数がCTでした。ユーザーの興味喚起のための施策に関する費用対効果はCTに対する費用で説明できます。クリック単価(CPC)と呼びます。
クリック単価(CPC)=広告費÷クリック数
【STEP3】購入に関する費用対効果
ユーザーが広告から商品を購入した数をCVと呼ぶと説明しました。1件のCVを達成するためにかかった費用のことをコンバージョン単価(CPA)と呼びます。広告における、ユーザーが商品を購入するまでの費用対効果を意味します。
コンバージョン単価(CPA)=広告費÷CV
【イメージ】
例えば、広告費が100万円でCVが100件とれれば、CPAは1万円ということになります。
この数字を調整することで費用対効果を高めることができるのです。
このように、費用と実測データを用いることで指標ごとの費用対効果を測定することができるのです。上記をまとめると以下の通りです。
指標 | 費用対効果の計算式 | |
---|---|---|
STEP1 | Imp | CPM=広告費÷Imp×1000 |
STEP2 | CT | CPC=広告費÷CT |
STEP3 | CV | CPA=広告費÷CV |
いずれも、単価を意味するので数値が低いほど費用対効果が高いと考えることができます。
費用対効果の高め方
ここまでわかったら、きっと「じゃあ、どうやって費用対効果を高めれば良いの?」という疑問が湧いてくることでしょう。これも簡単に説明しておきます。
広告費を下げる
2.2.3.の表をみればわかる通り、どの指標も広告費をさげれば数字は下がります。したがって広告費を下げれば費用対効果は自ずとよくなります。ただし、広告費をむやみに下げると、もちろん表示回数やクリック数など求めている数字も下がることに繋がります。
重要なことは無駄な広告費は削減するということです。
表示回数を増やす
表示回数を増やすためには露出を増やす必要があります。キーワードや地域などの特性に応じて広告表示を設定できるため、より露出を増やすような設定を行えば表示回数を増やすことができます。
ただし、露出をむやみに増やすとCTやCVが下がることもあります。
クリック数を増やす
クリック数を増やすためには、キャッチコピーで引き込む必要があります。広告文を見直してユーザーが求める答えが詰まった広告であることをアピールしましょう。また、誇大広告にならないように注意しましょう。
コンバージョンを増やす
コンバージョンを増やすためには、広告が魅力的なものでなければなりません。ユーザーに刺さる内容でありながら、それでいてスムーズに商品購入に移動できるようなサイト作りが必要です。広告文と広告内容との齟齬がないことも意識しましょう。
こうした施策によりそれぞれ指標としている数字が増えればそれぞれの単価が下がり、費用対効果を高めることができるのです。
また実際には、運用してみて、どこがボトルネックになっているのかを見極めて施策を検討・実行します。これにより効果的な運用ができ、費用対効果が高まるのです。

Webマーケティングにかかる費用
費用対効果を語る上で、もう一つ重要なファクターとなる費用の部分について説明します。
SEOなど費用がかからない施策もありますが、Webマーケティングはそれだけだと不十分です。なぜなら、例えばSEOだと開始してから効果がでるまで、短くても半年程度かかります。Web広告を出稿することでSEOよりも短い期間で成果を出すことができます。
Web広告の種類と課金方式
上記の通り、Web広告には様々な種類があり、課金方式が異なります。
以下に、いくつか事例をまとめています
広告の種類 | 課金方式 |
---|---|
リスティング広告 | ・クリック課金 |
ディスプレイ広告 | ・期間保証型課金 ・インプレッション課金 ・エンゲージメント課金 |
SNS広告 | ・インプレッション課金 ・エンゲージメント課金 |
アフィリエイト広告 | ・成果報酬型課金 |
クリック課金とは、文字通り広告がクリックされたら課金される方式です。期間保証型課金は、一定期間の広告枠を買い取り掲載してもらう方式です。
インプレッション課金は、クリックではなく表示回数ごとに課金される点が特徴。
エンゲージメントは、ユーザーの行動に対して課金する方式で、クリック課金も含みます。クリック以外には、いいねや共有などもエンゲージメントに含まれることもあります。
広告費の確認方法|Google広告とキーワード
ここでは、リスティング広告を掲載した際の費用について例を交えて説明します。
リスティング広告は、Googleなどでユーザーが検索したワードに対し表示される広告で、キーワードごとに出稿します。この広告費がどのくらいかかるのかを見てみましょう。
以下は、キーワードプランナーというGoogleのサービスで、調べたものです。
キーワードごとの検索ボリューム(期間内にそのキーワードが検索された数)や、クリック単価が確認できます。
例として、「表参道 美容院」「表参道 美容院 おすすめ」を調べてみました。
記事作成時点(2025年4月)では、いずれも1クリック20円前後が単価のようです。
クリック単価は、キーワードによって大きく異なります。1桁のものもあれば、3桁4桁を超えるものもあります。自社の商材が絶対に譲れないキーワードの場合など、費用がかかっても出稿するのも戦略の一つです。
効果的な広告予算の設定方法
広告にどれだけのお金をかけられるかを考えておくことはとても重要です。簡単に広告費の予算の考え方を、例を用いてお伝えします。
例えば、一人のユーザーに年間5万円購入してもらう商品で粗利率が30%と仮定します。
この場合、このユーザーから得られる利益は5万×30%。
利益を広告費が上回るわけにはいかないので広告費はこれ以下に収める必要があります。
これを限界CPAと呼びます。
限界CPAのうち、わかりやすく50%を広告にまわして50%を利益にすることにしましょう。
すると上記のユーザー1人を集めるためには5万円×30%×50%=7500円必要とわかりました。
これを目標CPAと呼びます。
あとはこういうユーザーを何人集めるのを目標とするか、ということになります。
100人集めるなら7500×100=75万円が広告予算になる、というわけです。
点から線へ|Webマーケティングの全体設計を整えて効果を高める
ここまでWebマーケティングの効果と広告費について説明してきました。費用対効果についてはなんとなくお判りいただけたのではないでしょうか。
注意していただきたいのはここまで書いてきた広告費というのは、媒体(Googleなどの検索エンジンやSNSなど)に対して支払う費用のみであるということ。
実際には、社内でWebマーケティングのノウハウがない場合、外注も検討するかもしれません。その場合、さらに外注費用が上乗せになることにも注意が必要です。ここで、外注費用についても触れておきましょう。
Webマーケティングを外注する際の費用
Webマーケティングを外注する場合、広告会社や派遣会社、Webフリーランスなどに依頼します。
Web広告の運用やSEO対策、LPの作成などWebマーケティングにも様々な施策があります。
それぞれの施策を単発で依頼することも可能ですし、全部を丸投げすることも勿論可能です。
依頼するサービスに応じて費用が変わります。
記事作成など月額数万円~で対応できるものもありますし、Webマーケティング全体を依頼される場合は数十万~100万円以上かかる場合もあります。
以下の記事では外注する際の費用相場について詳しく解説しています。

保存版|Webマーケティング費用相場と予算策定・費用対効果まで解説

【必見】失敗しないWebマーケター業務委託|費用相場と契約ポイント │ Break Marketing Program
外注に費用をかける理由|Webマーケティングの全体設計
外注すると広告費だけでなく外注費用がかさむことがお判りいただけたと思います。
では、外注にお金をかける意味はどこまであるのでしょうか。
プロのスキルは早くて質が高い
たしかにWebマーケティング施策のうちいくらかは、自分たちでやってやれないことはありません。
HPを自作したりブログ記事やSNSを更新したり、様々な施策を自社で行っている企業はたくさんあります。しかし、自社で様々な施策にトライしてもなかなか結果がでない会社もあります。
同じ作業をするにも、慣れたプロであれば手早く効率的に進めることができます。
また、質を高めるポイントを熟知しているため、質の高い施策を行うこともできます。
これについては多くの方が理解できることでしょう。
プロの目線で俯瞰した全体設計
外注で最も重要なポイントが全体設計です。実は、自社でWebマーケティングを始める際に見落としがちなのがこの全体設計。Webマーケティングを行う目的と目標を明確に設定した上で、どのような施策を行っていくのかを考える必要があります。
全体設計ができていないと、せっかく施策を行っても目標がうまく達成できなかったり、改善策や次の一手をどうやって進めていけばよいのかわからなかったりします。
点ではなく線になるように、方針を立てられること。それがプロの目線が最も活きる部分であり、費用をかけてでも外注する理由になるはずです。
Webマーケティングの教育を導入|全体設計ができる社内人材を育成する
とはいえ、やはり外注費用は決して安くないもの。それも毎月の出費になると考えると、なかなか踏み出せない企業も多いことでしょう。
そうなるとやはり最終的に目指すのは自社での内製化。つまり、全体設計までできる人材を社内で教育するということです。
社内人材のマーケティング教育のメリットはたくさん
社内人材にマーケティング教育を行うと以下のようなメリットがあります。
・外注費用を大幅に削減できる
・自社の財産になる
・社内人材が会社の方針を理解できるようになる
外注費用を削減できるほか、スタッフやそのスタッフが身に着けたノウハウは社内の財産になります。これは外注にはない大きなメリットです。
また、マーケティングは経営にも深く関わっているため、社内人材がマーケティングを学ぶことで自社のことをより深く理解することにも役立ちます。
以下の記事では、社内人材のマーケティング教育についてより詳しく解説しています。

マーケティング思考を手に入れろ|Web時代を制する企業の人材育成 │ Break Marketing Program
社内人材のマーケティング教育ならスクールをオススメ
社内のWebマーケティング教育が重要だということをご理解していただいたところで、ではどうやって教育を行っていけばよいのでしょうか。
その答えとして法人向けWebマーケティングスクールをご紹介します。
Break Marketing Program(BMP)法人向け講座

BMPは実践型の課題をベースに短期間でWebマーケティングのスキル習得を目指すWebマーケティングスクールです。法人向けのマーケティング講座も実施しています。
【BMPのプログラム】
カリキュラム例 |
---|
・Webマーケティングの基礎 ・用語解説 ・SEO対策 ・コピーライティング ・Webサイト作成 ・Web広告運用 ・データ分析と最適化 ・・・など全12Lesson |
BMPでは、SEO対策やWeb広告運用の方法、SNS広告、Webサイトの作成なども含めWebマーケティングの全般的な方法論を学ぶことができます。
それだけではありません。ここまで説明してきた費用対効果の考え方や全体設計の考え方、課題に応じた施策の決め方・改善方法などマーケティングの思考法まで身に着けることができます。
これがいかに重要なことなのかは、ここまで説明してきた通りです。
これを機に、Webマーケティングスクールでの社内人材育成を検討してみてはいかがでしょうか。
BMPの特徴
最後に、BMPの特徴をお示しします。数あるWebマーケティングスクールの中で、
BMPが選ばれる理由がここにあります。
不明点を都度確認できる
BMPのWebマーケティングスクールでは、マンツーマンで講師がサポートします。
不明点を都度確認できるので、つまずくことなくスキルを身に着けることが出来ます
実践向け課題でしっかりスキルが身に着く
BMPでは実務に則した課題をこなしていただきます。実践に近い形での課題になるため、
ただ講義を受けるだけに比べてしっかりスキルが身に着きます。
案件持ち込みも可能なので、自社の案件を実践することも可能です。
業務と両立して最短3か月で卒業
社内のWebマーケティング担当者に必須となるWebマーケティングのスキルを、最短3か月で体系的に習得することが可能です。週に18時間以上確保していただければ本業との両立も十分に可能です。
先にお示しした講座カリキュラムを通して、基礎から段階的にスキルを身に着けます。
PCが苦手な方でも問題なく、体系化されたWebマーケティングの本質を網羅的に学ぶことができます。
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