Web広告で成果を出す!コンバージョン最適化ガイド|改善事例付き

Web広告で成果を出す!コンバージョン最適化ガイド|改善事例付き

Web広告に予算を投じているのに「思うような成果が出ない」とお悩みではありませんか。
成果を出すために重要なのは、コンバージョンを正しく判断し運用することです。

ぜひ参考にしていただき、効果的な自社のWeb広告運用にお役立てください。

目次

Web広告におけるコンバージョン(CV)とは?

はじめに、Web広告におけるコンバージョン(CV)について説明します。「コンバージョン」と一緒によく使われる関連用語もおさえておきましょう。

コンバージョンとは成果を測る指標

「コンバージョン」とは、成果を測る指標のことで、ユーザーに起こしてほしい最終的な目標行動のことをいいます。「CV」とも表現されます。

Web広告においては広告のクリックではなく、広告経由で流入したWebサイト上で商品購入や申し込みなどの目標に到達することを指していて、広告の効果を測るうえで重要指標です。

よく使うCV関連用語もおさえておこう

コンバージョンに関連してよく使われる用語も覚えておくと理解が広がります。

ランディングページ(LP)
コールトゥーアクション(CTA)
コンバージョン数(CV数)
コンバージョン率(CVR)
コンバージョン単価(CPA)

広告から最初にアクセスするWebページのことで、ユーザーにメッセージを訴求し最終行動へ誘導する役割をもっています。


Webサイト上で、ユーザーに特定のアクションを起こさせる要素のことです。バナーや画像、ボタンなどを設置し、行動喚起します。CTAによるユーザー行動をCVとするのが一般的です。


実際に成果に至った回数を表します。成果を評価する絶対的な結果です。


訪問者やクリックに対してどれだけ成果につながったかを示す指標です。

例)広告クリック数100回に対し、商品購入でのCV数が20回だとするとCVRは20%です。

計算式 CVR(%)=(コンバージョン数 ÷ 広告クリック数)× 100


1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用を指し、「顧客獲得単価」とも呼ばれます。
例)20件の申し込みを獲得した結果、広告費が5万円かかったとするとCPAは4,000円です。

計算式 CPA(円)= 広告費 ÷ コンバージョン数


コンバージョンは効果を判断する重要材料のため、計測可能な目標行動を設定することが基本です。

Web広告での具体的なコンバージョン例

Web広告では、どんなコンバージョン例があるのかを業種と目的別に紹介します。いずれも計測可能な目標です。

【一覧表】業種別 Web広告のコンバージョン例と目的

コンバージョン例主な業種例広告の目的
商品・サービスの購入ECサイト、D2C、アパレル、飲食、教育商材売上の最大化・購入率の向上
資料請求BtoBサービス、コンサル、不動産見込み顧客(リード)の獲得
申込・予約完了医療、美容室、来店型店舗、スクール来店誘導・受注前のアクション促進
会員登録オンラインメディア、動画配信、教育系会員基盤の構築・LTVの向上
問い合わせ・見積もり依頼BtoB、建築・設備、士業、高額商材商談機会への誘導・初期接点の獲得
ホワイトペーパーのダウンロードBtoBサービス見込み顧客(リード)の獲得
アプリのインストール会員制サービス、モバイルサービスユーザー獲得、アクティブ率向上

自社の広告が狙うコンバージョンは目的とあっているのかを確認しておくと、戦略がぶれにくくなります。一覧を参考に「自社広告のゴール = コンバージョンになっているか」、見直しのヒントにしてくださいね。

業種別 コンバージョン率の目安を紹介

自社のみの広告運用を担当していると、今出ているコンバージョンは適正なのかと判断に悩んだり、他社はどれくらいの数値が出ているのか気になったりすることもあるでしょう。

公開されている業種別のコンバージョン率を紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

【一覧表】Google広告における業種別平均コンバージョン率

業界平均CVR(検索)平均CVR(ディスプレイ)
自動車6.03%1.19%
法人向けサービス(BtoB)3.04%0.80%
マッチング・出会い系サービス9.64%3.34%
ECサイト・ネット通販2.81%0.59%
教育・スクール3.39%0.50%
人材紹介・転職支援5.13%1.57%
銀行・証券・保険5.10%1.19%
医療・健康・美容・ヘルスケア関連3.36%0.82%
生活用品・日用品・ホームグッズ2.70%0.43%
製造・建設・物流3.37%0.94%
弁護士・法務サポートなど6.98%1.84%
不動産2.47%0.80%
IT・テクノロジー・ソフトウェア関連2.92%0.86%
旅行・観光・宿泊・レジャー3.55%0.51%
出典:WordStream(最終更新日2025年4月4日|レポートと分析)

サービス形態や社会情勢によっても差異が生じますが、自社と同様の業種だとこれくらいという参考値があると運用時の目安になります。

このデータの検索広告とディスプレイ広告のCVRでは、検索広告のほうが高い傾向にあります。要素の多いディスプレイ広告では、クリエイティブの精度をあげるなどして最適化に注力する必要があると考えられますね。

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Web広告のコンバージョンを正しく判断するポイント

ここまで、Web広告のコンバージョンについて様々な角度で解説してきました。

では、広告成果の指標となるコンバージョン、正しく判断してこそ効果を把握できます。ここでは捉え方のポイントについて解説します。

なぜ正確な計測が重要なのか?

コンバージョンの正確な計測は成果を最大化するために重要です。

コンバージョンは、広告成果の指標だと解説しました。そのため、コンバージョンとする結果は、その広告の成功の可否を判断するものであり、以降の改善課題を発見するものにもなります。

計測を誤ってしまうと、判断ミスや無駄なコストの発生にもつながります。

本来の目的に適したコンバージョンを設定しているか、きちんとカウントされているかなど、初期段階から意識して確認しておきましょう。

正確に計測することで、戦略のブレを回避し、効率よく運用を進めることができます

コンバージョンの種類と違い|総CVとユニークCV

Web広告におけるコンバージョンには、細かく考えるといくつかの種類があります。

特に把握しておきたいのは「総コンバージョン」と「ユニークコンバージョン」です。

この2つの違いは、コンバージョンのカウント方法の違いにあります。

単純にコンバージョンがカウントされた総数。

同一ユーザーによって生じた複数のコンバージョンは複数回数としてカウントします。

ユーザー数を軸とします。

同一のユーザーから発生したコンバージョンが複数回あっても、1としてカウントします。

例)ECサイトにて1人が3回購入した場合
  総CV=3、ユニークCV=1

商品販売など売上を目標とする場合は、通常、総コンバージョンを使用します。

ユニークコンバージョンを採用するのは、資料請求などの見込み顧客の獲得や、リピート購入通販などでユーザー数を目標とするケースです。

評価に影響するため、正しく使い分けましょう。

【補足ポイント】

 広告の種類によっては使える「プロセスが特殊なCV」 

広告をクリックせずに別ルートでCVする「ビュースルーCV」や、クリック時とは別に再訪問してCVする「間接CV」などがあります。さらに深く計測したい場合に活用しましょう。

CVを理解して改善に活かすには

コンバージョンを理解して改善に活かすには、ただCVの増減を見るのではなく、「どの種類のCVがどう変動したか」と考えることがポイントです。

例えば、「総CVは順調に伸びているけど、ユニークCVは変動なし」という状況の場合、リピート率は上がっているけれど、新規顧客の獲得が滞っていると評価できます。

このように、真の課題をみつけるにはコンバージョンを正確に計測し意味を理解することが重要なのです。


次章では、実際にコンバージョンが伸びない原因と、成果をあげる具体策について説明します。

【保存版】CVが低い原因分析と改善アプローチ7選

ここでは、実際にぶつかりやすいCVが低いパターンと原因7選を具体的に挙げ、それぞれの改善策を解説します。思い当たるケースがないか、確認してみてください。

1.ターゲティングの精度が低い
2.広告とLPの内容がずれている
3.ファーストビューでの訴求力が不足している
4.CTAが弱い・わかりづらい
5.入力フォームの項目が多すぎる・わかりづらい
6.表示速度が遅すぎる・重い
7.信頼性が低い

1.ターゲティングの精度が低い

ターゲティングの精度が低いと、優れた広告を作っても成果につながりません。

本来届けるべきターゲットに、情報を届けられていないためです。

チェックポイント
✅ 広告のペルソナ設計は正しい?

改善策
年齢や性別、エリアなどの表面的なセグメントはもちろん、ターゲットが抱えている悩みや気持ちまで想定し、細かく設計することが大切です。
セグメント機能を正しく使えているかもチェックしましょう。

2.広告とLPの内容がずれている

広告をクリックした理由とLPの内容が一致しないと、コンバージョンどころか離脱を招いてしまいます。

チェックポイント
✅ 広告とLPで訴求ワードは一致している?

改善策
広告をクリックした理由(期待)に対する答えを、LPのファーストビューで見せましょう。広告のCTAとLP内の導線を整合させることは、ユーザーを安心させ期待も継続させます。

3.ファーストビューでの訴求力が不足している

ユーザーは、表示直後の数秒でそのままよく見るかどうかを判断しています。ここで訴求内容が伝わらないと離脱しやすくなります。

チェックポイント
✅ キャッチコピーは一瞬でメリットが伝わる?
✅ スマホ表示のレイアウト最適化はできている?

改善策
ファーストビューのビジュアルで、直感的にメリットやサービス内容が伝わるものにしましょう。複数の人に印象をインタビューするなどして精度をあげることも方法のひとつです。
この他、スマホ表示でのレイアウトが崩れず見やすいものになっているかも忘れず確認しましょう。

4.CTAが弱い・わかりづらい

内容を見たものの、何をしてほしいのかが明確でなければ、ユーザーは動けません

チェックポイント
✅ CTAボタンの視認性は充分?
✅ 誘導コピーは具体的?

改善策
CTAの色やサイズを、はっきりとわかるデザインにしましょう
CTAを複数設置する場合は、その箇所の目的ごとに文言を用意しわかりやすく配置する工夫も必要です。
CTAはスクロール位置に応じて上部・中央・下部に設けましょう。

5.入力フォームの項目が多すぎる・わかりづらい

入力項目が多すぎるなど、入力する手間をストレスに感じた時点で、ユーザーは簡単に離脱してしまいます。

チェックポイント
✅ 不要な項目をむやみに増やしていない?
✅ 項目名はわかりやすい?

改善策
ユーザーの立場になって確認し、本当に必要な項目だけに絞ることが鉄則です。
スマホ環境でも入力しやすいかどうかも確認しましょう。
1ページにまとめてしまうとボリュームが大きく見えるため、ページを分けて段階的に入力するステップフォームの活用もおすすめです。

エントリーフォームの改善は「EFO」(Entry Form Optimizationの略称/入力フォーム最適化)ともいわれます。よく使われる用語なので覚えておくと便利です。

6.表示速度が遅すぎる・重い

1秒遅れるごとにCVが落ちると言われるほど、表示速度は見落とせない要因です。

チェックポイント
✅ 画像サイズは大きすぎないか?
✅ 不要なスクリプトが存在していないか?

改善策
現状を診断するには、「PageSpeed Insights」がおすすめです。
無料で使用することができ、URLを入力するだけで、ページの読み込み速度や改善ポイントを分析してくれます。特にモバイル速度に注目しましょう。

7.信頼性が低い

「この情報大丈夫?」「怪しい」。こんな印象が付いてしまってはCVどころか致命的です。

チェックポイント
✅ 実績、運営者情報、第三者認証などが入っている?

改善策
一方的な情報発信だけではなく、信頼につながる第三者視点の情報も掲載しましょう。
具体的には、第三者認証やお客様の声、実績などの明確化です。
デザインのクオリティも印象に影響するため、雑に仕上げず、ブランドイメージを伝えられるようなクリエイティブにもこだわりましょう。


コンバージョンが低い時は、何らかの原因があるものです。

チェック項目を参考にして原因を突き止め、改善策を講じることを繰り返し実行しましょう。

【事例紹介】これで変わった!Web広告のリアルな成功パターン

実際に、コンバージョンを改善しWeb広告の成果を大きく伸ばした実例を紹介します。

【成功事例1】学習塾のCV改善例|適切なエリア設定で入塾者数260%を達成

業種
地域に根付く学習塾

課題
費用対効果が感じられず、集客効果が出なかった

改善策
新規問い合わせ獲得をCVとし、リスティング(検索)広告で、効果的なターゲティングを意識し、狙った場所を中心に広告の配信範囲を設定。

成果
12 月に運用を開始し3 月までの WEB サイトへの訪問者は、前年の同時期と比較して 175% に増加。実際の入塾者数も前年から 260% まで急増

出典:Google広告(適切なエリア設定で入塾者数 260% を達成した株式会社教育プラザ)

【成功事例2】結婚式場ポータルサイトのCV改善例|EFOとLPのデザイン統一でCVRが2倍以上に

業種
結婚式場の情報ポータル

課題
入力フォームの完了率が7%と低く、多くのユーザーが離脱していた

改善策
ファーストビューに体験をイメージさせる画像を挿入、送信ボタンのデザインを統一、フォームタイトルの変更、登録時間の記載、「最短30分で提案」という強みをアピール、さらに必須項目と任意項目を明確化。

成果
入力フォームの申込み完了率が7% → 16%(約2倍)に向上し、CV率改善につながった。

出典:ferretMedia(EFOを行い入力フォームの申込み完了率が2倍になった成功事例)

EFOとは
Entry Form Optimizationの略称で入力フォーム最適化を意味します。


事例1は、エリアを見極めターゲットに届く工夫をした成果です。事例2は入力フォームを徹底的に見直したことで成果を出しています。このように、CV率が低い原因を発見し、対策を講じれば、成果を大きく改善することができます。

自社の運用で気になる点があるなら、ぜひ紹介した改善策を参考にお試しくださいね。

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まとめ 正しくコンバージョンを測定してWeb広告の成果を最大化しよう

本記事では、Web広告運用で成果を出すためのコンバージョンについて解説しました。

コンバージョンはWeb広告の効果を測る指標です。

コンバージョン率が低いと感じたら、正しく測定できているかどうかを確認してみてください

コンバージョンを改善するには、原因を分析しそれに応じた対応策を講じましょう。ターゲティングやLPのファーストビュー、入力フォームなどを少し工夫するだけでも、効果があります。

もし、自社の運用に最適な改善ステップがわからないとお悩みなら、プロに相談する手もあります。

株式会社ブレイクでは、実案件を用いて広告運用を学べます。
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【Q&A】疑問を解決してWeb広告で成果を出そう!

Web広告のコンバージョンについて、よくある質問をまとめました。あらためて確認しておきたいことがあれば、ぜひこちらを見て解決してくださいね。

Q:Web広告のコンバージョンって何?

Web広告における「コンバージョン」の意味とは

成果を測る指標のことで、ユーザーに起こしてほしい最終的な目標行動のことです。ECなら「商品購入」、セミナーなら「申し込み」というように業態に適したコンバージョンを設定します。

Q:コンバージョンの具体例は?

Web広告でよく使われるコンバージョンの具体例

具体的には、商品・サービスの購入、資料請求、申込・予約完了、会員登録、問い合わせ・見積もり依頼、ホワイトペーパーのダウンロード、アプリのインストールなどが挙げられます。【2章】で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

Q:業界別コンバージョン率の目安は?

業界別のコンバージョン率の平均は? 他社の目安を知ろう

平均では2〜5%程度が多く、業界全体平均は約4.3%です。日用品や不動産、ECは低値傾向、弁護士や金融、自動車業界は高い傾向があります。細かい数値は【3章】でご覧いただけます。

Q:リスティング広告のCVRを改善するには?

リスティング広告のCVRを高めたいときに行うこと

まず、GA4や広告レポートなどでCTR(クリック率)を確認し、どこで離脱しているのかを把握しましょう。キーワード、広告文、LP内容・導線、ターゲティング、CTAなど、リスティング広告では全体的な設計を見直すことをおすすめします。【5章】のCVが低い原因分析と改善アプローチも参考にしてください。

Q:SNS広告の成果が出ない時はどうすればいい?

SNS広告の成果を改善したいときに確認すること

SNS広告ではクリエイティブの良し悪しも成果に影響します。次の項目を確認してみてください。

・ターゲティングとペルソナの一致
・クリエイティブのわかりやすさ、メッセージ
・広告とLPの訴求の一貫性
・LP内のCTAまでの導線
・スマホでも見やすいか

Q:なぜコンバージョンの理解が重要なの?

Web広告におけるコンバージョンの重要性

コンバージョンは広告の成功の可否を判断するものです。コンバージョンを分析することで改善課題を発見し、成果を大きく変えることができます。判断ミスや無駄コストの発生を回避するため、正確に計測し効率良く広告運用しましょう。


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