GA4コンバージョン経路の見方とは?ユーザー行動分析でLP最適化とCVR改善を実現!

「GA4(Googleアナリティクス4)をうまく使いこなせていない」、そんな悩みを抱えるマーケティング担当者の方は少なくありません。
この記事では、GA4でコンバージョン(CV)に至ったユーザーの経路を確認する2つの方法を画面キャプチャ付きでわかりやすく解説します。さらに、CV経路から得たユーザー行動データの活かし方や見落としがちな注意ポイントもあわせて紹介します。
GA4を活用すれば、Webサイトを訪れたユーザーの行動やニーズを理解でき、サイトの最適化やコンバージョン率を改善するためのヒントを掴めます。ぜひ最後までご覧いただき、GA4を「使える」ツールにしましょう。
コンバージョン経路とは?GA4での分析前におさえておきたい基礎知識
コンバージョン経路とは、ユーザーがコンバージョンに至るまでにとった行動プロセスのことをいいます。
データ分析に入る前に、GA4でのコンバージョン経路について基礎知識を確認しておきましょう。
GA4におけるコンバージョン(CV)経路とは?

GA4では、ユーザーがサイトにアクセスし、サイト内で達成した最終的なアクションのことを「コンバージョン」といいます。
コンバージョン経路は、そのコンバージョンに至るまでにたどった接点を指します。具体的には、どこから入ってきて、何をして、どこを通ったのかという「経路」を可視化するものです。
GA4では、コンバージョン経路を2つの方法で知ることができます。これらは後の章で詳しく解説します。
コンバージョン経路を把握するメリット
コンバージョン経路を分析すると、サイト訪問時に使ったチャネルや、CVまでに通過したページや操作の流れを把握できます。
こうしたユーザー行動のデータは、効果のある集客チャネルを見極めたり、離脱が多いページを特定したりすることに役立ちます。効果的なコンテンツの強化や予算配分を変えるなどの施策は、マーケティング戦略の精度を高めることに大いに貢献します。
CV経路と似た指標「アトリビューション」との違い
GA4には、コンバージョン経路と似た「アトリビューション」という指標もあります。

アトリビューションとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでに接したメディアやコンテンツに対して、貢献度を割り当てたデータです。
CVまでのプロセスを考慮する点は、コンバージョン経路と同様ですが、各接点ごとに貢献度を割り振る点が異なります。広告やメディアのCVへの貢献度を評価したい場合はアトリビューションを活用するのがおすすめです。
ユーザー行動の把握やLPの改善のヒントを得たい場合は、コンバージョン経路データを分析しましょう。
GA4におけるコンバージョン経路は、ユーザー行動の流れを知るには欠かせない機能です。次の章では、経路の見方について解説します。
GA4でコンバージョン経路を確認するには?【2つの見方を解説】
GA4でコンバージョン経路を確認するには、「コンバージョン経路レポート」と「経路データ探索」の2つの方法があります。どちらもユーザー行動を可視化できる機能ですが、特徴に違いがあります。
コンバージョン経路レポートとは|チャネルを可視化
「コンバージョン経路レポート」とはコンバージョンにつながったユーザー行動のチャネルごとの経路を可視化したレポートデータです。レポート自体は、GA4の「広告」レポート内に用意されているため、あらためて設定する必要はありません。
用途 ユーザーの流入元を把握
👇 使い方
CVに至ったユーザーは、どのチャネルから流入しているのかを知りたい時
💡 確認できる内容
・タッチポイントとなったチャネル構成
・各チャネルの貢献度
・アトリビューション比較も可能
経路データ探索とは|サイト内行動を可視化
「経路データ探索」とは、サイト内でコンバージョンに至るまでのユーザー行動の流れを可視化したデータです。「探索」メニューから自身で設定する必要がありますが、カスタマイズの自由度が高く、知りたいデータを設計して抽出できます。
用途 ページやイベント単位の遷移を分析
👇 使い方
LPやサイト内導線を改善したい時
行動ステップを把握したい時
💡 確認できる内容
・任意のステップで定義したユーザーの行動
・各ステップの離脱率・CV率
・ユーザー属性やデバイス別の絞り込み分析も可能
【比較表】コンバージョン経路レポートと経路データ探索の特徴
ここまで解説したコンバージョン経路を知る2つの方法を比較してみましょう。
コンバージョン経路レポート | 経路データ探索 | |
---|---|---|
概要 | チャネルごとの経路を可視化 | サイトやLP内の行動を可視化 |
用途 | ユーザーの流入元を把握 | ページやイベント単位の遷移を分析 |
設定の必要性 | なし(広告レポート内に存在) | あり(探索から設定) |
活用方法 | 流入経路やチャネル別貢献度の把握 | LPやサイト内導線の改善 行動ステップの把握 |
GA4ではコンバージョン経路を知る方法として、コンバージョン経路レポートと経路データ探索の2つを使うことができます。前者は流入元チャネルを分析、後者はサイトやLP内でのユーザー行動の分析に活用できます。
目的に応じて使い分け、データ分析の精度を高めましょう。
コンバージョン経路レポートの見方
ここからは、各レポートの具体的な確認方法について解説します。ぜひGA4の画面を見ながら実践してみてください。
どのメニューから確認できる?|ステップ式で手順を紹介
🟡STEP1. 左メニューにある「広告」セクション>「アトリビューション」>「アトリビューションパス」を選択

🟢STEP2. キーイベントから、確認したいコンバージョンを選択して、適用

🔵STEP3. 条件設定(フィルタ、期間、ディメンションを指定)

これで、可視化したいデータの設定が完了しました。
次は、データの読み方について解説します。
アトリビューションパスとは
ユーザーがコンバージョンに至るまでに経由したチャネルの貢献度や経路を視覚的に確認できるレポートのことです。
ディメンションとは
データを分析するために使うユーザー属性を示します。
チャネルの流れをどう読むか?
上記のように設定すると、上下2段でデータが表示されます。

上半分:3つのタッチポイントごとのチャネル貢献度を表す棒グラフ
下半分:コンバージョンの多いチャネルグループ
各タッチポイントが示す内容
早期タッチポイント | 最初の25%でユーザーが訪問したチャネル |
中間タッチポイント | 中間ステップの50%で接触したチャネル |
後期タッチポイント | 最後の25%でCVに至る前に滞在したチャネル |
チャネルグループとは
流入元のカテゴリを示すもので、カテゴリ別の数値は「キーイベント」列で確認できます。
この3地点でのタッチポイントの経緯より、ユーザーがどのチャネルをどんな順序で通ってCVに至ったのかを知ることができます。
【経路例】
SNS(早期)→メルマガ(中間)→ダイレクト検索(後期)
この場合、最初の接点はSNSで認知し、メルマガからもアクセス、その後ブックマークや直接訪問でCVした、と読み取れます。
GA4の「コンバージョン経路レポート」は、CVに至るまでのユーザー行動を把握でき、最初から最後までのタッチポイントが示すチャネルの貢献度を視覚的に確認できる機能です。
経路データ探索の使い方
次に、経路データ探索の使い方について解説します。
特定のページやイベントに至ったユーザー行動を確認する方法です。
探索レポートでCVユーザーの行動を確認|ステップ式で手順を紹介
🟡STEP1. 左メニューにある「探索」>「経路データ探索」を選択し、設定画面を開く

🟢STEP2. 右上「最初からやり直す」をクリック

🔵STEP3.「終点」>「イベント名」を選択し、CVイベントを選択


🟠STEP4. 上部「ステップ‐1」の下、グラフ上の青い部分をクリック

ここまで設定すると、遡ってデータが表示されます。
このクリック操作を繰り返すとさらに遡ることができ、どのページからどこに遷移して最終的にCVに至ったのかというサイト内の行動プロセスを確認することができます。
STEP3.で「終点」を選択すると「ここまでの経路」、「始点」を選択すると「ここからの経路」を確認できます。
経路データ探索で知りたいユーザー行動にフォーカスする設定のコツ
経路データ探索は、自分の知りたいことを意識すれば、レポートの価値が高まります。目的に沿って、軸やステップを設定することで、CVに至るまでのリアルな行動パターンを可視化できます。
スタートポイントの設定
スタートポイントは出発点にも到達点にもなる
前節「探索レポートでCVユーザーの行動を確認する手順」のSTEP3.で説明したように、「終点」を選択するとここまでの経路を確認でき、「始点」ではここからの経路を確認できます。
最初に訪問したページや中間ページを始点にすると、そこを通過したユーザーがどこに進むかを把握できます。
セグメントの設定
ユーザーの深い傾向を掴むにはセグメントが必須
すべてのユーザーの行動を分析すると、本質が見えにくくなります。「コンバージョンに至ったユーザー」や、デバイスを「スマホユーザー」に絞るなどセグメントを使うと、特定ユーザーの傾向が明確になります。
表示方法の工夫
ステップの項目名は誰もがわかる「ページタイトル」を表示
ステップの項目名が「ページパス」になっていると、直感的にわかりにくいため、「ページタイトル」に切り替えるのがおすすめです。特にチーム内で共有する場合などは、誰もが理解しやすいように配慮しましょう。
ページパスとは
ページ URL の一部で、ドメイン(例: 「www.google.com」)とクエリ文字列(例: 「? query=1」)の間に表示されます。
設定を少し工夫するだけで、得られるデータがより明確になり精度が高まります。目的や共有先に応じて設定すると、改善につながるヒントも見えやすくなります。
▼あわせて読みたい
GA4でコンバージョン経路をページ別に分析する方法について詳しく説明しています!
【活用例】コンバージョン経路データを活かすには?

この章では、コンバージョン経路レポートと経路データ探索を使い、サイトの改善に役立てる活用方法を紹介します。また、マーケティング担当者として意識したいポイントも参考にしてください。
「このデータをこう活かす」3つの活用例
活用例1. 離脱ポイントを特定し、LPやCV動線を改善する
📊 活用データ 経路データ探索 💡 得られる効果 CVR改善に直結する導線の改善 |
CVに至らなかったユーザーの行動ポイントを分析し、離脱箇所を把握します。
特定ページの離脱率が高い場合、情報が不足していないかや導線をチェックします。
活用例2. CVに貢献しているチャネルや接点を明確にする
📊 活用データ コンバージョン経路レポート 💡 得られる効果 広告や集客チャネルの費用対効果の改善 |
複数チャネルを組み合わせた流入を確認でき、CVに貢献するパターンを把握できます。
間接的に貢献しているチャネルもわかるため、注力施策への予算やリソースの配分検討に役立ちます。
活用例3. 訴求メッセージやコンテンツ企画に活かす
📊 活用データ コンバージョン経路レポート 💡 得られる効果 効果的なコンテンツの強化によるCVRの向上 |
CV前にユーザーが見ていたコンテンツ(ブログやFAQ、事例など)は、ユーザーに刺さった可能性があります。
それらのコンテンツを基に、新たな記事企画を立てたり、SNSでも発信したり、キーワードを広告文に活用したりできます。
コンバージョン経路データからは、見方によって様々な情報を読み取れます。ユーザー行動のパターンを理解し、サイトや導線の改善のほか、チャネルの配分にも活用し、CVR向上を目指しましょう。
コンバージョン経路データの分析でよくある間違いと注意点
次に、注意しておくべきポイントも解説します。GA4のコンバージョン経路データはとても便利な機能ですが、設定や解釈を正しく行うことが重要です。
⚠️ すべての流入経路を“貢献度が高い”と誤解する
経路上に表示されるチャネルすべてがコンバージョンに強く影響しているとは限りません。最終接点や初回接点の意味や役割を理解したうえで、判断しましょう。
⚠️ イベントの定義が曖昧なまま分析している
「コンバージョンとして計測するイベント」は適切ですか?自社の業種や商材に合った行動目標をコンバージョンとしてキーイベントにマークしましょう。
⚠️ セグメントを設定していない
通常、初期設定では「全てのユーザー」が対象になっています。そのため、「CVしたユーザー」などと目的に応じて絞り込むことで、結果の精度が高まります。
ついやってしまいがちな失敗例を紹介しました。コンバージョン経路を見る際は、CVに到達するユーザーの行動プロセスやタッチポイントを正しく読み取ることで重要な情報を得られます。
上手に活かすために!マーケティング担当者の視点

コンバージョン経路データを活かすには、操作方法を覚えるだけでなく、データをどう見るかの視点が重要です。
コンバージョンまでの行動経路は、ペルソナがたどったカスタマージャーニーです。ただの数字やチャネル名ではなく、ユーザーの思考や意思決定のプロセスとして読み解きましょう。
また、眺めて終わるのではなく、特定のチャネル経由のCV率が高いという結果を得られたら、予算の投資配分やLPへの誘導にどうつなげるかということも考えられます。
そして、施策を実行したら効果検証を行い、次の改善へ、というようにPDCAを回す検証サイクルに落とし込むことで、成果の最大化を目指しましょう。
マーケティング担当者の思考ポイント
💡ユーザー視点で、経路をストーリーとして考える
💡成果から次の施策を展開する
💡経路分析によるPDCAを習慣化する
GA4で得たコンバージョン経路データを上手に活用するには、ユーザー行動の意味を正しく理解し、他の施策に展開していく多角的な考え方が大切です。
このようなマーケティング思考は、分析を習慣にしたり、観察力を鍛えたりすることで身に付いていくものです。
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CV経路を把握してCV効率の良いLP運用を目指そう
GA4のコンバージョン経路データの見方を理解すると、ユーザー行動の全体像が見え、LPや広告施策の課題発見につながります。
自社のGA4を活用して、どのチャネルがCVに貢献し、成果を出しているか確認してみましょう。また、経路データ探索機能を使ってサイト内の行動パターンを把握するとLP内の導線改善のヒントになります。
GA4の便利な機能を使いこなし、CVRの向上に効果的なサイト運用を目指しましょう。
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