ランディングページ(LP)にSEO対策は必要?広告に頼らない集客法を徹底解説

「ランディングページは広告で使うもの」 と思っていませんか?
実は、ランディングページ(LP)にSEO対策をすることで、Web検索で見つけてもらえる可能性が高まります。 広告費を減らして見込み客を集めたいと考える方にとって、有効な選択肢のひとつになり得ます。
この記事では、「LPにSEOって必要なの?」「どう作れば検索でも見つけてもらえるの?」と気になっている方に向けて、広告に頼りすぎない集客ができるLPについて解説します。
広告用ランディングページがSEOで不利になる構造的な理由
広告バナーをクリックした先にある、縦長の1ページ完結型サイト。
この1ページ完結型の広告用ランディングページ(LP)は、SEOの面からは検索に弱いという特徴があります。
この章では、その理由をご紹介します。
広告用ランディングページの役割と限界
広告バナーをクリックした先にある、次のような縦長のサイトをご覧になったことがあると思います。

冷凍弁当「nash」の広告用ランディングページ(LP)より抜粋
このような広告用のランディングページ(LP)は、1ページ完結型で訪問者に特定のアクションを促すことを目的に設計されています。
たとえば「資料請求」「購入」「登録」など、1つのコンバージョン目標に絞った構成が特徴です。
情報量は最小限で、ストーリー性や文章量よりも、視覚的な訴求に重点が置かれています。
この「情報の絞り込み」が、SEOにおいては不利に働いてしまうのです。
検索エンジンは、ページの中身(テキストや構造)から内容を判断します。広告LPは画像や装飾が多く、見た目にはインパクトがあっても、検索エンジンには十分に理解されにくいのです。
また、1ページしかないため、関連ページからの内部リンクやテーマの深掘りといった「サイト構造としての強み」もなく、SEOでの評価が高まりにくいという弱点があります。
検索で見つけてもらうために必要なSEO設計
検索から見込み客を集めるには、検索エンジンに「このページはユーザーの役に立つ」と評価される必要があります。単にページを作るだけでは不十分で、「SEOを意識した設計」が求められます。
得に意識すべきポイントは、次の4つです。
キーワードを自然に含めたコンテンツ設計
ユーザーが検索しそうな言葉(キーワード)を自然に含め、その内容にしっかり答える構成が必要です。
検索エンジンは「このページは何について書かれているのか?」を、主にテキスト情報から判断します。
検索意図をふまえた具体的な情報提供
たとえば「宅配弁当 安い」で検索する人が知りたいのは、値段の比較やコスパの良さ。
そうした検索の“背景にあるニーズ”をとらえて、丁寧に答えるコンテンツが評価されます。
サイト内での構造的なつながり(内部リンク)
LPが1ページだけで完結していると、他のページからのリンクがなく、SEO的には“孤立”した状態になります。
関連ページと内部リンクでつながっていれば、テーマの広がりや専門性の高さが伝わりやすくなります。
ユーザー行動を促す導線と信頼性の設計
検索で訪れた人が「ここなら信用できそう」と思えるように、口コミや導入実績などの信頼要素を入れたり、問い合わせ・申込みへの導線を明確にしたりすることも大切です。
これはSEOの間接的な要素ですが、コンバージョンを見据えた設計として欠かせません。
こうした工夫があると、Google検索エンジンからの評価も高まり、検索結果で上位に表示されやすくなります。
LPとSEOのズレ:構造・目的・導線の違い
広告用に作られた1ページ完結型のランディングページ(LP)は、「特定の商品やサービスを、短時間で、強く印象づけて行動を促す」ことに特化したページです。ユーザーが検索でたどり着くページとは、構造や役割が大きく異なります。
広告用ランディングページ(LP)と、SEO対策がされた検索に強いページのあいだには、次のような違いがあります。
特徴の違い | 広告用LP (1ページ完結型) | SEOに強いページ (サイト型LPやHP・ブログに共通) |
構造 | 1ページ完結。関連ページがなく、孤立しがち | 複数ページで構成され、テーマに関連した記事と連携 |
目的 | 今すぐ購入・登録を促す「決断型」 | 情報収集中の検索ユーザーに向けて「比較・検討」支援 |
導線 | ゴール(CV)まで一直線の導線設計 | 回遊性を重視し、内部リンクで別ページにも誘導する設計 |
構造の違い:1ページ完結 vs 複数ページ構成
広告用LPは1ページで完結することが多く、他のページとの連携がありません。
一方、SEOに強いページは「関連性のある複数ページが相互にリンクし合う構造」になっていることが理想です。この構造があることで、検索エンジンは「このサイトはこのテーマに詳しい」と評価しやすくなります。
目的の違い:今すぐ購入 vs 情報収集の支援
広告用LPは“今すぐ申し込む・買う”を促す作りですが、検索経由のユーザーは「比較・検討」段階の人が多いのが特徴です。
そのため、十分な情報提供や「違いを理解できるコンテンツ」が必要です。
導線の違い:1本道 vs 回遊型
広告用LPは「最後の決断を促す一本道の導線」を設計します。
一方、SEOで集客するには「別の関連記事にも興味を持ってもらう回遊型の導線」も重要。サイト内の複数ページを行き来できるようにすることで、滞在時間や信頼度も向上します。
つまり、検索ユーザーに届くLPを作るには、検索ユーザーの「知りたい・比べたい・検討したい」という行動に合った設計が必要なのです。
次の章では、こうしたSEOに強い構造を持つ「サイト型LP」について詳しく見ていきましょう。
広告用ランディングページについてもっと詳しく知りたい方へ、こちらの記事がおすすめ
【5分でわかる】ランディングページとは?知っておくだけで差がつく!LPの基礎知識
SEOに強いランディングページを作るなら「サイト型LP」
広告用に作られた1ページ完結型のランディングページ(LP)は、検索エンジンからの評価を得るには、どうしても情報量や構造に限界があります。
この章では、SEO対策で検索に強い設計をしたサイト型LPの特徴、広告用LPとの違い、実際の事例をもとにそのメリットを紹介します。
サイト型LPとは?トップLP+記事群で構成されたLP
サイト型LPは、トップページ(LP本体)と、それを支える複数の関連ページで構成されています。
たとえば、以下のような構成です。
トップページ(LP本体)|サービスの魅力や申込み導線を設置
└ お悩み解決ページ(例:記事・コラム)
└ 比較・検討ページ(例:他社比較・料金説明)
└ 安心材料ページ(例:口コミ・実績・FAQ)
└ 補足説明ページ(例:使い方・導入事例・サポート体制・会社情報)
これらの補足ページが下層にあることで、検索エンジンは「このサイトはユーザーの疑問に多面的に答えている」と判断します。その結果、関連ページだけでなく、LP本体も検索で上位表示されやすくなるのです。
つまり、サイト型LPは「検索から補足ページに入ってもらう導線」を作るだけでなく、サイト全体のSEO評価を底上げし、LP自体を見つけてもらいやすくする仕組みでもあります。
一枚完結ではなく、情報の広がりと深さを持っているので、SEO的にも評価されやすく、検索ユーザーにもわかりやすい構成です。
広告用LPとサイト型LPを比較|サイト型にする3つの利点
広告で使われる1ページ完結のランディングページ(LP)は、「今すぐ買いたい」「申し込みたい」と考えている人に向けて、一気に訴求して行動を促す構成です。短期間で成果を出すには効果的ですが、SEOにはあまり向いていません。
一方、サイト型LPは、トップページ(いわゆるメインのLP)に、補足ページや記事等を配置した「サイト構造」になっています。この構造が、検索からの集客に強みを発揮します。
以下に、広告用LPとサイト型LPの違いと、サイト型にする3つの利点を紹介します。
利点 | 広告用LP (1ページ完結型) | サイト型LP (トップ+下層ページ) |
検索との相性 | 弱い(情報が少なく、幅広い検索意図に対応しづらい) | 強い(記事などで幅広い検索意図に対応できる) |
検索経由の流入 | 少ない(広告が中心) | 多い(記事経由での流入や回遊導線を設計しやすい) |
コンテンツ設計 | 商品・サービスの訴求に特化。キーワードや補足説明は最小限。 | 説明ページ・コラム等を加えられるため、商品やサービス理解が深まる |
このように、サイト型にすることで「検索される」「比較・検討される」「信頼される」ための土台ができます。
ただし、作って終わりではなく、コンテンツの追加、古くなった情報の最新化や閲覧数の少ないページを改善するなど、継続的な運用が必要です。
次章では、実際にサイト型LPを活用している企業の事例として、nosh(ナッシュ)の構成を見てみましょう。
事例紹介:noshのサイト型LP(トップLP+記事群)




nosh(ナッシュ)の公式サイトより抜粋
nosh(ナッシュ)の公式サイトは、「サイト型LP」の好例です。
トップページは「ランディングページ」として商品の魅力を伝え、CTAボタン「メニューを選ぶ」を設置しています。
そして、フッターには以下のような下層ページ(補足コンテンツ)へのリンクが網羅されています。NOSH MAGAZINE(読み物)は、多様なニーズを持ったユーザーのために用意された記事で、幅広く深い情報を提供しています。
nosh.jp(トップのLP)│サービス紹介・特長・メニュー・申込導線
├ メニューについて
│ ├ メニュー
│ ├ プレミアムメニュー
│ ├ noshのシェフ/パッケージ
├ サービスについて
│ ├ 初めての方へ
│ ├ よくある質問(FAQ)
│ ├ ご利用ガイド/配達地域
│ ├ 栄養価の解説・食事指導
├ 会社情報・関連コンテンツ
│ ├ SDGs/製造情報
│ ├ NOSH MAGAZINE(読み物)
│ ├ アスリート向け導入事例
●SEO的なポイント
トップページ(LP) | 下層ページ (補足情報) |
メイン訴求・商品の魅力・申し込み導線 | 食事の悩みや不安に応えるための、ユーザー視点の情報が豊富 |
視覚的でシンプルな構成 | テキスト中心の情報設計で、SEO評価されやすい |
検索意図とのマッチングが限定的 | 検索キーワードに対応したFAQ、 成分・配達・口コミなどに対応 |
このように、noshのサイト型LPでは、トップページをコンバージョン導線として使い、補足情報を下層ページに分散することで、検索ユーザーの関心に広く応える導線設計をしています。
結果として、さまざまなキーワードで下層ページが検索表示されれば、そこからトップページや個別商品ページへの回遊が生まれます。
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【実践編】検索に強いランディングページを作るための4ステップ
SEOに強いランディングページ(LP)を作るには、ただ文章を増やせばよいわけではありません。検索される仕組みとユーザーの行動を理解し、設計から運用まで意図を持ってつくることが大切です。
ここでは、はじめての方でも実践しやすい「4つのステップ」に分けてご紹介します。
STEP1|狙うキーワードを洗い出す(ツール:ラッコキーワードなど)
まずは「どんな言葉で検索されたいのか」を明確にすることが第一歩です。
たとえば「糖質オフ 弁当 配送」「宅配冷凍弁当 おすすめ」など、ユーザーが実際に検索しそうな言葉をリストアップしましょう。
無料ツール「ラッコキーワード」を使えば、関連キーワードや検索ボリュームが簡単に調べられます。
STEP2|検索意図に合った記事を設計・作成する
次に、そのキーワードで検索したユーザーが「何を知りたいのか」を考えます。
たとえば、
・「糖質オフ 弁当」
成分やカロリー、どんな人向けか
・「宅配冷凍弁当 おすすめ」
比較ポイントや口コミ
といったように、疑問に答える内容を記事にまとめることで、検索エンジンにもユーザーにも評価されやすくなります。
STEP3|記事とトップLPを内部リンクでつなぐ
作成した記事には、必ず「トップLP」へのリンクを貼りましょう。
これは「気になる人がすぐ申し込める」ようにするだけでなく、SEOの面でも非常に重要な施策です。
トップページが他のページからリンクされることで、「このページは重要だ」と検索エンジンに認識されやすくなります。
STEP4|ユーザー導線とコンバージョンポイントを明確にする
最後に、ページ内の「導線(流れ)」を整えることが大切です。
たとえば、記事の中でユーザーの疑問に答えたあとに、以下のようなボタンやリンクを配置します。
・「メニューを選ぶ」※noshの例
・「はじめての方へ|サービスの流れを見る」
・「◯◯が気になる方はこちらから申し込み」
このように、ユーザーが迷わず申し込みに進めるように自然な流れを設計します。
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補足:すでにあるランディングぺージをSEOに活かすには?
すでに広告用のランディングページ(LP)をお持ちの方も多いはず。
「今あるLPをそのまま活かして、検索でも見つけてもらえるようにしたい」
そう考える方に向けて、SEO的に有効な活用方法を紹介します。
既存LPを活かす方法|サイト構造に組み込んで活用する
独立していたLPも、既存のWebサイト内に組み込むことで、ドメインの評価を活かしたSEO対策が可能になります。
そのサイトが長年積み上げてきたドメインの評価(信頼性や権威性)を活用できるようになります。
これにより、ゼロから評価を得る必要がなくなり、検索結果に表示されるスピードや順位の上がりやすさが改善される可能性が高まります。
具体的な方法は以下に紹介します。
サイト内に「下層ページ」として設置する
LPを新たなページとしてWebサイトの構造に組み込みます。
たとえば、トップページ→サービス一覧→LPという階層で配置し、自然な導線を設計します。
グローバルメニューやフッターからリンクを張る
「サイト内の他のページ」と同じように、メニューやフッターにリンクを設置しましょう。
検索エンジンがそのLPを“孤立したページ”ではなく、サイト全体の一部として評価しやすくなります。
関連する記事やコンテンツからもリンクを張る
ブログ記事、FAQページ、サービス紹介ページなどからも内部リンクを張りましょう。
これにより、検索クローラーが回遊しやすくなり、SEO評価の底上げにもつながります。
ページタイトルや見出しタグを整える
もともと広告用に作られていたLPは、検索キーワードが入っていないこともあります。
タイトル(titleタグ)や見出し(h1・h2)に、狙うキーワードを自然に含めることで、SEO上の効果が出やすくなります。
こうすることで、LPが“サイトの一部”として認識され、SEOの評価対象になりやすくなります。
※ただし、既存サイトに組み込むには訴求が強すぎて違和感のあるLPもあるので、制作会社へ相談・調整が必要です。
事例紹介:時計修理工房のLP
時計修理工房の「ロレックス修理ページ」は、「時計修理工房」という本体サイトの中に組み込まれた下層ページですが、「訴求 → 行動を促す」ための構成となっています。

時計修理工房の「ロレックス修理ページ」より抜粋
●このページの特徴
項目 | 内容 |
ページ構成 | 1ページ完結型(縦長の構成で、複数セクションが1ページに集約) |
目的の明確さ | 「修理依頼フォームへの送客」が明確なゴール |
CTA(行動喚起)配置 | ファーストビュー含め、複数箇所に「無料見積もり」ボタンを配置 |
訴求ポイントの 絞り込み | 「ロレックス専門」「無料見積もり」「年間実績」など、限定的ニーズに特化 |
視覚的訴求の強さ | 修理実績の画像、評価レビューを活用した説得力ある訴求 |
テキスト情報の 最小化 | 画像・見出し・箇条書き中心で、文章量は必要最低限にとどめている |
「https://www.●●●●.jp/lp_rolex」として、既存ドメインの下層ページとして配置されているため、メインサイトのドメイン評価を受け継ぎ、SEO面でも有利になっています。
●SEO対策のポイント
・特化型ページとしてロレックス修理に焦点を当て、検索意図に合ったキーワード(例:ロレックス 修理 店名)を網羅
・「お客様の声」や「よくある質問」などの補足情報がページ内に自然に組み込まれ、コンテンツ量を担保
・本サイトの「修理事例ページ」や「料金表ページ」などと相互リンクされており、サイト内での回遊性を確保
・デザインはLP的ながら、ナビゲーションメニューやパンくずリストも備えており、検索エンジンからの評価も得やすい構造
視覚的な訴求や安心感のある構成はそのままに、「広告だけでなく検索からも流入できる」導線設計を取り入れているのが特徴です。
たとえば、ロレックス修理を検討しているユーザーが「地域+ロレックス修理」と検索した際に、このページが検索結果に表示されるよう設計されています。
既存サイト内に特化LPを配置するアプローチとして、SEOと広告を組み合わせたハイブリッド型設計の参考事例と言えるでしょう。
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まとめ|ランディングページのSEO対策も“届けたい相手に届く設計”がカギ
ランディングページというと、広告からの流入を前提に「売るためのページ」と捉えられがちですが、
SEO対策を意識することで、検索からの流入を増やし、広告費を抑えながら安定した集客の仕組みを作ることが可能です。
検索ユーザーは「今すぐ申し込みたい人」ばかりではなく、「まず情報収集したい」「比較検討したい」という段階の人も多く含まれます。
そんなユーザーの悩みや疑問に寄り添ったページ設計が、信頼感を生み、結果的に成約にもつながります。
広告LPとサイト型LP、それぞれの特徴を理解したうえで、あなたのビジネスや商品に合った設計を選ぶことが大切です。
そして何より、「届けたい相手に届く設計」こそが、強いランディングページをつくるいちばんのポイント。
「役に立つ」という視点を持って、あなたのサービスに共感してくれる人と出会えるLPを設計していきましょう。
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