ユーザーの“選ぶ理由”を見つける分析|価値をつくる視点の磨き方

どうも、小川です。

講座をサポートしていると、
受講生の方からよくこんな声をいただきます。

「自社の強みって何でしょう?」
「USPってどう考えればいいのか
 わからなくて…」

強みという言葉は身近なのに、
いざ言語化しようとすると
途端に迷いやすいテーマです。

でも、その理由はとてもシンプル。

“強み”を自分目線で探してしまうからです。

「こだわりがあるから」
「品質が高いから」
「昔からやってきたから」

これらはすべて“自分が語る論理”。

しかし、マーケティングの目的は
ユーザーに価値を届けることです。

ここで前回の記事で扱った
「目的⇄手段」の構造が
そのまま役に立ちます。

目的:ユーザーにとっての価値を実現すること

手段:その価値を伝えるためのUSP

強みとは、本来
この“目的を叶えるための手段”なのですが、
自分目線で考えてしまうと、
何をどう伝えればいいのか
急に見えなくなってしまうんです。

(前回の記事はこちら:
「努力が空回りする人の共通点」──“目的と手段”を整理して、選択肢を増やす思考法

そこで今回の記事では、
「分析=ユーザー目線で価値を設計すること」
という視点から、
強み・USPの考え方を整理していきましょう!

強みは特徴、USPは“価値に変換された特徴”

多くの人は
「強み=もともと自社や商品の中にあるもの」
と考えています。

だから、自社の特徴の中から
特別な何かを探し出そうとして、
「オンリーワンがない…」
と行き詰まってしまう。

でも、USPの本質は少し違います。

🔍 強み=自社が持っている特徴
💡 USP=ユーザーの目的に合わせて“価値に変換された特徴”

たとえば、
カルシウム入りの健康食品を
考えてみましょう。

「カルシウムが多い」というのは、
あくまで“特徴”です。

でもユーザーが求めているのは
特徴ではなく、

「健康を維持したい」
「骨を強くしたい」
「手軽に不足を補いたい」

といった“目的の達成”です。

だからユーザーは、
牛乳・おじゃこ・ヨーグルト・サプリ……
どれを選んでもいい。

選ばれる理由は
“カルシウムが多いから”ではなく、
“自分の健康目的を
手軽に満たしてくれるから” なんです。

ここで大事なのが、

✔ 強み=商品が持っている性質
✔ USP=その性質が“相手の目的にどう役立つか”という形に翻訳された価値

と整理しておくこと。

では、この“USPへの翻訳プロセス”を
どうやって行うのか?

そこで必要になるのが「分析」です。

ここでいう分析とは、
数字を見ることではなく、
「ユーザーがどこに価値を感じるのか」
をつかむことです。

分析とは、
・ユーザーは何を目的にしているのか
・その目的のために何を重視するのか
・その基準を自社はどう満たせるのか
を読み取るための考え方です。

この「価値基準の読み取り」をもとに、
自社の特徴をユーザーの目的に合わせて
“価値として翻訳する”ことで
USPが生まれます。

つまりUSPとは、
強みをそのまま並べるのではなく、
ユーザーが目的を叶えられる形に
変換していくプロセスそのものだと言えます。

USPをつくる“3つのステップ”:観察→翻訳→言語化

USPを“価値として再構成”するには、
次の3つのステップが役に立ちます。

①観察(ユーザーの目的・価値基準を知る)
②翻訳(自社の特徴をユーザー価値に変換する)
③言語化(価値として伝わる形に整える)

前章で、
USPとは「強みを価値に翻訳するプロセス」
とお伝えしました。

この章では、その翻訳をどのように行うかを
具体的な3ステップとして解説していきます。

①観察:ユーザーの基準を拾う

レビュー、SNS、
比較記事、競合サービスの訴求。

これらはすべて、
ユーザーが
“選ぶかどうかを決める基準”の宝庫です。

・どんな言葉を使っているか
・何に不満を抱えているか
・決め手として何を挙げているか

あなたもサービスを選ぶとき、
「その強みそのもの」ではなく、
“自分の目的を叶えられそうかどうか”
で判断していませんか?

ユーザーも同じで、
自分の目的に合うかどうかを基準に
選んでいます。

②翻訳:ユーザーの目的に合う形に“強み”を組み替える

観察して見えてきた「相手の基準」を、
自社ならどう満たせるのか?

ここが、このステップのポイントです。

たとえば、
「手軽にカルシウムを補いたい」
という基準があったとします。

牛乳はそのひとつの手段ですが、
目的(健康の維持・不足の補給)は
おじゃこ・ヨーグルト・サプリでも満たせます。

同じように、

ユーザーの目的
→それを自社がどう叶えられるか?

という視点で
“強み”を組み替えていくイメージです。

前回の記事で扱った
「目的と手段」の考え方が
ここでそのまま生きてきます。

目的(価値)に対して、
どんな手段(強み・USP)で応えるのか。

その再設計がこのステップの役割です。

③言語化:ユーザーの言葉で価値を伝える

最後に、
それをユーザーの言葉で表現します。

・専門用語で語らない
・自社の自慢話にしない
・相手の文脈の中に置く

たとえば、
「カルシウム量が○mg以上」ではなく

「忙しい日でも手軽に不足分を補える」

と表現すると、ユーザーにとって
“何が良いのか”が
具体的に伝わるようになります。

USPを導き出すことは、
自社の特徴を
ユーザーが求める価値として
言葉に置き換える作業です。

競合との差別化は“ユーザーの目的”から始まる

強みを自分目線で語ると、差別化も迷走します。

・自社の性能がどうか
・競合よりどこが優れているか
・自社のユニークポイントは何か

こうした視点は、
“売り手が語る手段の比較”
にしかなりません。

しかしユーザーは、
自分の目的を満たす手段の
比較をしています。

例えば

目的:カルシウムを摂る
手段:牛乳/おじゃこ/ヨーグルト/サプリ

牛乳の競合は牛乳だけではありません。

目的が同じなら、
手段が違っても競合になります。

これはマーケティングで言う
「直接競合」と「間接競合」
の構造そのものです。

直接競合=同じ手段で目的を満たす

間接競合=違う手段で同じ目的を満たす

この視点を持つと、
“表面的な違い”ではなく、
“ユーザーが何を実現したいか”を起点に
差別化ができるようになります。

結果として、
USPの軸がブレなくなるんです。

まとめ:強みとは“相手にとってのベネフィット”である

強みを伝えることは
目的ではありません。

本来の目的は
ユーザーが価値をきちんと
理解できるようにすること
です。

だからUSPは、
自社の特徴そのものではなく、
“ユーザーの目的にどう役立つか”
という形に整理し直す必要があります。

その視点で整理すると、
分析はただの情報整理ではなく、
ユーザー目線で
「どう伝えるのが一番わかりやすいか」
を整える作業になります。

そして前稿の“目的と手段”の思考が、
そのまま分析力の基盤にもなることが
分かるはずです。

マーケティングの本質は、
相手の目的に寄り添い、
その目的を満たす形で価値を届けること。

この視点を持てれば、
強みの迷走は自然と止まり、
施策の方向性もクリアになりますよ。

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小川