ZOZOが2017年に発表した「ZOZOスーツ」は、スマートフォンと連携して全身の体型を計測し、個人にフィットする衣服を提供することを目指した革新的なプロジェクトでした。
しかし、サービス開始から約1年で終了となり、約40億円の特別損失を計上する結果となりました。
背景と施策内容
ZOZOスーツは、ユーザーが専用のスーツを着用し、スマートフォンで撮影することで体型を計測する仕組みでした。
このデータを基に、ZOZOのプライベートブランド(PB)である「ZOZO」ブランドの衣服を個別にオーダーメイドで提供することを目指していました。
失敗の要因
ユーザー体験の複雑さ: 計測には専用スーツの着用や特定のポーズでの撮影が必要で、ユーザーにとって手間がかかるものでした。
技術的な問題: 初期モデルでは、センサーの不具合や計測精度の問題が報告され、ユーザーの期待を裏切る結果となりました。
ターゲットとのミスマッチ: ファッションにあまり関心のないユーザーが多く、計測後に実際に商品を購入するまでには至らないケースが多く見られました。
納品の遅延: オーダーメイドの衣服の納品に時間がかかり、ユーザーの購買意欲が低下する要因となりました。
得られた教訓
ZOZOスーツは、先進的な体験型施策を導入したものの、Webマーケティング(情報発信・購入導線)と デジタルマーケティング(データ活用・CRM連携)とのバランスを欠いたために、施策全体がチグハグになった例です。
「Webとデジタルの違いと役割を見誤ったために起きた失敗事例」です。
参考:
「ZOZO SUIT終了『5つの失敗』裏で得た意外な財産」(東洋経済オンライン)
「ゾゾスーツへの再チャレンジ。担当者が経営会議で語ったこと」(スタジオパーソル)
「ZOZOが『ZOZOSUIT』なしで採寸できる新サービスを発表」(マイナビニュース)
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