Web広告の費用相場はいくら?【初心者向け】失敗しない予算の決め方と費用対効果を高めるコツ

Web広告の費用相場はいくら?【初心者向け】失敗しない予算の決め方と費用対効果を高めるコツ

Web広告を始めたいと思っても、
「一体いくらから始めればいいの?」
「少ない予算で失敗したくない…」
と不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、Google広告やYahoo!広告といったリスティング広告やSNS広告、動画広告など、主要なWeb広告の費用相場をわかりやすく整理。さらに、自社に最適な広告予算を算出するための具体的なステップも解説します。

目次

Web広告の費用にはどんな種類がある?

はじめに、Web広告の料金について説明します。

Web広告には「運用型広告」と「純広告」の2種類があります。

運用型広告

事前に掲載枠を決めずに広告内容や入札価格、期間などを柔軟に変更しながら運用するもの
(例:リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など)

純広告

事前に掲載枠を決めずに広告内容や入札価格、期間などを柔軟に変更しながら運用するもの
(例:リスティング広告、ディスプレイ広告、SNS広告など)

料金形態には、主に下記の6つが設定されています。

クリック課金

クリック課金は、CPC(Cost per Click)とも呼ばれる課金の仕組みです。広告の表示に関わらず、ユーザーにクリックされた時点で課金されるものです。

費用算出例クリック単価 × クリック回数
メリット広告費と成果が比例しやすい
使用ケース問い合わせ獲得、コンバージョン狙い
注意点ニーズに合わない無駄クリックの発生で費用が膨らむ

インプレッション課金

インプレッション課金は、広告が表示される度に課金される仕組みで、CPM(Cost per Mille)とも呼ばれます。

具体的には、1,000回表示されるごとに料金が発生します。クリックの成果にこだわらず露出を重視する際に向いています。

費用算出例広告費が500円の場合、1,000回の表示で500円、10万回で5万円
メリット広範囲にリーチできる、広告費を予測しやすい
使用ケース認知の拡大、バナー等の露出目的
注意点クリックされなくても費用が発生する

インプレッションとは
「広告の表示回数」のことで、主に認知拡大を目的とした広告で使われます。

エンゲージメント課金

エンゲージメント課金とは、ユーザーが広告に何らかのアクション(反応)を起こしたときに課金される仕組みで、SNSでよく使われています。

エンゲージメント例:リンクをクリック、いいね、フォロー、動画再生、コメント

費用算出例Instagram 1フォローつき単価20円、1,000フォローで20,000円
メリット関心のある層に届く、SNSとの相性が良い
使用ケース共感、拡散、ファン獲得
注意点フォロワー以外への表示が増えると質の低いエンゲージメントに課金される

動画視聴課金

動画視聴課金とは、ユーザーが広告動画を一定時間以上視聴したときにのみ課金される仕組みです。YouTube広告やFacebook広告、Instagram広告などで採用されています。

費用算出例単価4円で1,000回視聴の場合、4,000円
メリット視聴完了率から関心度を図れる、無関心層に課金されない
使用ケースビジュアルと音声を用いた商材紹介、セミナー告知、ブランディング
注意点制作コストが高めで制作時間がかかる

保証型

保証型広告は、純広告に分類され、掲載場所や期間が固定されるものと、表示回数やPV数を保証するものとの2通りがあります。

掲載場所や期間が固定されるもの
情報サイトやポータルサイトの枠を購入する形態で、高価な傾向があります。

表示回数やPV数を保証するもの
契約した回数が達成されるまで掲載され続けます。

費用算出例広告1件に対する契約金額が設定される例)バナー広告1週間で10万円、10万PV保証で20万円
メリット掲載が確実、競争しなくてよい、信頼のある媒体に掲載できる
使用ケース認知拡大、セール告知など一定期間の集中訴求、人気枠の確保
注意点効果が出なくても固定費用が発生する

PVとは
「ページビュー」を指し、Webサイトの画面に表示されること、閲覧数を示します。

成果報酬型

成果報酬型広告は、アフィリエイト広告とも言われ、ユーザーが広告経由で特定の成果(購入・申込・登録・アプリのインストールなど)を達成したときにのみ課金される仕組みです。

費用算出例成果1件につき500円設定の場合、100件購入で50,000円
メリット成果が出た時のみ費用発生、費用対効果が明確
使用ケース商品購入・登録完了などゴールが明確
注意点商材の魅力が薄いとアフィリエイターが集まらない、ASPへの登録費用・月額費用・システム手数料が別途かかる

【一覧表】料金形態別に見るWeb広告

ここまでに紹介したWeb広告の料金形態を一覧表にまとめました。

料金形態課金のタイミング向いている目的
クリック課金クリック時コンバージョン誘導
インプレッション課金表示時認知拡大
エンゲージメント課金SNSでの反応時共感、拡散、ファン獲得
動画視聴課金30秒以上の視聴、クリック時商品理解、ブランディング、関心層の抽出
保証型固定金額で期間・枠を購入認知拡大、信頼形成
成果報酬型成果発生時のみ購入・申込など確実な成果が欲しい時

Web広告の費用形態には成果に応じて課金されるものや、成果に関わらず掲載や表示が保証されるものもあります。メリットや注意点を考慮し、自社の広告目的やターゲットにあわせて検討しましょう。

Web広告媒体を紹介|特徴と費用相場

ここでは、よく使われるWeb広告の媒体を紹介します。

それぞれの特徴と費用相場も参考にしてくださいね。

リスティング広告

リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが入力したキーワードに連動して表示されるテキスト型広告です。検索結果に表示されるため、顕在ニーズにアプローチしやすく、即効性があります

特徴ニーズにアプローチしやすい、即効性がある
課金方式クリック課金
費用相場1クリックあたりEC・アパレル・美容 50~300円士業・不動産・保険・金融 800~1,500円
月額目安小規模で試す 3万~10万円本格的に運用 10万~50万円
活用例「オンラインヨガを受けたい」ユーザーに対し、キーワード「オンライン ヨガ おすすめ」などで広告を表示し、問い合わせにつなげる。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告で、画像や動画などの視覚的な訴求ができるものです。

潜在層へのアプローチが可能で、認知拡大やブランディングに向いています。

特徴興味や年齢、地域など細かいターゲット設定ができる
課金方式クリック課金・インプレッション課金
費用相場1クリックあたり アパレル・飲食・小売 20~100円1クリックあたり BtoB・美容・医療 50~300円1000回表示あたり 20円~600円程度動画1再生あたり 2~5円程度
月額目安小規模で試す 3万~10万円本格的に運用 10万~50万円
活用例ECサイトのリマーケティングに活用。一度商品ページに訪問したユーザーに表示し、思い出させて再訪問させ購入につなげる。

動画広告

動画広告とは、YouTubeやSNS、ニュースアプリなどで配信される動画形式の広告です。

映像と音声の両方で訴求できるため、感情や世界観の表現が可能で、ブランディングや商品の理解を深めたい場合に向いています。

冒頭5秒でいかに惹きつけられるかがポイントです。

特徴視覚と聴覚で体感させられる、印象付けに効果的
課金方式クリック課金・インプレッション課金・動画視聴型
費用相場1クリックあたり 50~300円1,000回表示あたり 200~1000円動画1再生あたり 2~10円
月額目安10万円より
制作コストテンプレートを使用した簡易なものから、ロケ撮影までレベル範囲が広く、5万~100万円以上が目安
活用例美容室のPRで、冒頭に印象的なコピーと画像を入れビフォーアフターを20秒で紹介。半径5㎞にいる20~30代の男性をセグメントして配信。

SNS広告

SNS広告とは、Instagram、Facebook、XなどのSNS上のタイムラインや広告枠に表示される広告です。

「いいね」やフォローのデータをもとに、関心でのターゲティングが可能で、拡散や交流も期待できます。

画像や動画、カルーセル、縦型動画などクリエイティブの自由度が高いことも特徴です。

特徴コンテンツ間に自然な表示、高度なターゲティングが可能
課金方式クリック課金・インプレッション課金・動画視聴型・エンゲージメント型
費用相場1クリックあたり 20~200円程度1,000回表示あたり 200~1,500円動画1再生あたり 数円~10円1アクションあたり 50円~数百円
月額目安小規模で試す 3万~10万円本格的に運用 10万~50万円
活用例新規開業するスイーツ店のPR。調理工程や店舗看板などビジュアル映えする画像を入れて、半径5㎞にいる20~30代のスイーツ・カフェ好きな女性に配信。

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、Webサイトやブログ等で商品を紹介してもらい、それを見たユーザーが購入や申し込みを完了するなどのコンバージョンを成果として、報酬を支払う成果報酬型の広告です。

ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)を通して、企業と紹介者(アフィリエイター)がつながります。ASPには、最大手の「A8.net」や、物販に強い「もしもアフィリエイト」などがあります。

特徴費用対効果が明確、ユーザー視点の訴求
課金方式成果報酬型
費用相場1件あたり商品購入 100~数千円資料請求 1,000~5,000円申し込み 数万円
ASP手数料成果発生時の手数料10~30%程度が主流
活用例ヘアケア製品の販売促進のためアフィリエイトを活用。商品価格の6%の報酬を設定。紹介文テンプレートや専用バナーを用意し、ASPに登録。

記事広告

記事広告とは、タイアップ広告とも呼ばれ、メディアの記事のような構成でPRをする広告です。

読み物として提供されるため、自然な形で商品の魅力を伝えつつユーザーの深い理解を期待できます。

媒体によっては、Webの他に紙やメールを組み合わせたセットプランを利用できることもあります。

特徴自然な読者体験、信頼を得やすい、toC・toBどちらも対応
課金方式保証型
費用相場1枠あたり個人インフルエンサー 5万~数十万円Webメディア 20万~数百万円
活用例税理士事務所のPRに活用。中小企業経営層が読む業界紙に「税金対策に必須なポイント5選」と題した記事を掲載し、問い合わせに誘導。

メール広告

メール広告とは、メディアのメールマガジンに掲載する広告です。

ニュースメール内のコンテンツのひとつとして掲載してもらう場合や、単独でメール配信してもらうケースもあります。

メディアが保有している顧客リストに情報を届けられるため、新規顧客層の開拓につながる他、年齢や地域のセグメント設定や、開封率等のレポートを受け取れるメリットがあります。

開封率をあげるためには、メールタイトルが重要です。

特徴ターゲットに直接情報が届く、外部の顧客リストを活用、即効性、効果測定がしやすい
課金方式配信数課金・一斉配信課金・クリック課金
費用相場1件 1~10円1クリックあたり 100~1,000円程度
活用例お中元向け高単価商品の認知拡大のため、クレジットカード会社のメールニュースに掲載。購買優良層の新規開拓を狙う。

【一覧表】自社に必要な媒体がみつかる!Web広告の特徴と料金

紹介したWeb広告について、特徴や費用の目安を一覧にまとめました。

商材や目的、予算などを鑑みて自社に合う広告媒体を検討してくださいね。

広告媒体ターゲット目的課金方式費用目安
リスティング検索ユーザーCVCPC3万~50万円/月
ディスプレイ潜在層認知・ブランディングCPC・CPM3万~50万円/月
動画潜在層認知・ブランディング・CVCPC・CPM・CPV10万円~/月
SNS潜在層、若年層多め認知・集客・ブランディング・販促CPC・CPM3万~50万円/月
アフィリエイト顕在層・潜在層集客・CV成果報酬型成果手数料10~30%程度
記事潜在層新商品の認知・ブランディング保証型5万~数百万円/枠
メール潜在層集約・告知・販促配信数課金・一斉配信課金・CPC3万円/回
※CV ・・・コンバージョン(購入・申し込みなどの成果)
 CPC・・・クリック課金(1クリックあたり)
 CPM・・・インプレッション課金(1,000回再生あたり)
 CPV・・・動画視聴型課金(1視聴あたり)

リスティング・ディスプレイ・動画・SNS広告は、上記広告料金の他、または含める形で代理店への運用手数料が発生します。相場は20〜30%程度です。

代理店など外部に代行依頼する場合は、運用手数料がかかる点もあわせて確認し予算を組んでおきましょう。

【3ステップで簡単】自社に最適なWeb広告予算の決め方

Web広告の予算は感覚ではなく
目標(KGI/KPI)→ 必要な流量(クリック・インプレッション)→ 現実的な金額の順で組み立てるとブレません。ここでは、実務でそのまま使える3ステップを示します。

Step1: 広告の目的とKGI/KPI(目標CPAなど)を決める

1.まずKGI(最終目標)を定義
例:月間問い合わせ数50件、月間資料請求30件、月間売上60件 など。

2.そこからKPI(中間指標)を定める
代表例:目標CPA(1件あたりに支払ってよい金額)/CVR(サイトの成約率)/到達すべきクリック数。

3.許容できるCPAは必ず収益ベースで逆算する
例:LTV(顧客生涯価値)や初回粗利から逆算して「1件あたり払って良い金額」を算出。
単純式(参考):許容CPA ≒ LTV × 粗利率 × 回収方針係数
※LTVが不明な場合は「短期の利益(初回受注利益)」で最低ラインを決める。

4.現実的な目標設定のコツ
まずは達成可能な短期目標(テスト期間)を置き、中長期でスケールする数値を設定する。


Step2: 目標達成に必要なクリック数や表示回数を試算する

KPIが決まったら、必要な流量を逆算します。式はシンプルです。

  • 必要クリック数 = 目標獲得件数 ÷ 想定CVR
  • 必要インプレッション数 = 必要クリック数 ÷ 想定CTR

重要なポイント(指標の選び方)

  • 想定CVR(コンバージョン率)は媒体・ランディング・業種で大きく変わるので、保守的(低め)/現実値/楽観値の3パターンで試算する。
  • 想定CTRも同様に媒体別(検索は高め、ディスプレイ/SNSは低め)で設定。
  • 指標が不明な場合はまず少額でテストを行い、1〜2週間の実データでCVR/CTRを確定する。


実例(目標:月間獲得50件、想定CVR=3%、想定CTR=1%)

  • 必要クリック数 = 50 ÷ 0.03 = 1,667クリック
  • 必要インプレッション数 = 1,667 ÷ 0.01 = 166,700回表示

(※CVRの違いによるクリック数とCPC必要値の関係も重要:CPC = 目標CPA × CVR。つまりCVRが上がれば1クリックに払える金額(CPC)は上がる。)


Step3: 試算に基づき、現実的な広告予算を算出する

広告出稿費の基本はシンプルです。

  • 広告出稿費(媒体に出す金額)目標獲得件数 × 目標CPA
  • もしくは 広告出稿費必要クリック数 × 想定CPC(CPCがわかっている場合)

さらに忘れがちなコストを上乗せする

  • 代理店手数料(例:広告費の約20%)
  • クリエイティブ制作費(動画・LP・バナー等)を月割りで計上
  • 計測・分析ツール費、タグ実装/計測工数など


例:目標50件、目標CPA 2,000円、想定CVR 3%場合の試算

  • 広告出稿費 = 50 × 2,000 = 100,000円/月
  • 必要クリック数 = 1,667クリック → 平均CPC = 100,000 ÷ 1,667 ≒ 60円
  • 想定インプレッション = 166,700回 → 想定CPM ≒ 600円(目安)
  • 代理店手数料(20%) = 20,000円
  • クリエイティブ費(月割り、例:100,000円を3か月償却) = 33,333円
  • 合計月額予算 = 100,000 + 20,000 + 33,333 = 153,333円/月

(上の数値は実務でそのまま使える「組み立て方」の例です。媒体や業種でCPC/CTR/CVRは大きく変わるため、必ずテストで実値を取りに行ってください。)


【予算モデルケース】少額スタート向けWeb広告(3か月/予算60万円例)

小規模ビジネスでの新規顧客獲得のためのWeb広告プランを想定し、モデルケースを設計しました。3か月で集客から無料体験申込、または会員登録を目指すプランです。

フェーズ目的施策予算内訳
1週間テストInstagram・Facebook
リスティング
1万円
1万円
1か月目新規獲得Instagram・Facebook
リスティング
4万円
4万円
2か月目潜在層への訴求認知拡大Instagram・Facebook
リスティング
YouTube動画
3万円
3万円
10万円
3か月目リマーケティングInstagram・Facebook
リスティング
YouTube動画
ディスプレイ
2万円
2万円
10万円
5万円
制作費バナー + 簡易動画6万円
運用・レポート入稿、月1回のレポート、微調整9万円
合計60万円

※小規模想定で設計したモデルケースです。代理店によって詳細が異なります。

運用代行を外部に依頼すると、一般的に広告費の20%程度の手数料が発生します。もし、自社で運用する場合は手数料は不要になり、コスト削減や広告費を手厚くすることが可能になります。


予算を組む際は、「月に10万円くらい使おうかな」というような曖昧な設定ではなく、目的、ターゲット、CPA、調整のための余力、手数料も含めた全体設計を検討しましょう。


注意!広告費を“溶かす”だけになる初心者の失敗パターン

Web広告の費用相場や予算の決め方を理解しても、実際には多くの初心者が「広告費を溶かすだけ」で終わってしまいます。せっかく投じた予算が無駄になる前に、よくある失敗パターンを知っておきましょう。

失敗パターン1:目的が曖昧なまま広告を出稿

「とりあえず認知を広げたい」「売上を上げたい」といった漠然とした目的で広告を始めるケースです。

なぜ失敗するのか

  • KPIが設定できず、成果の良し悪しが判断できない
  • 改善すべきポイントが見えない
  • 予算配分の根拠がない

具体例 :月10万円の予算でリスティング広告を開始。「問い合わせが増えればいいな」程度の認識で運用し、3ヶ月後に振り返ると問い合わせは2件のみ。1件あたりの獲得単価が15万円となり、明らかに採算が合わない結果に。

対策 :目的を「月間問い合わせ20件獲得」「目標CPA 5,000円以内」など、具体的な数値で設定する。

失敗パターン2:ターゲティングが不適切

「できるだけ多くの人に見てもらいたい」という思いから、ターゲットを広く設定しすぎるケースです。

なぜ失敗するのか

  • 興味のないユーザーにも広告が表示され、無駄なコストが発生
  • クリック率(CTR)が低下し、広告の品質スコアが悪化
  • コンバージョン率が極端に低くなる

具体例 :30代女性向け化粧品の広告で、年齢制限を設けずに配信。10代や50代以上のユーザーからも大量のクリックを獲得したが、実際の購入につながったのはわずか0.5%。想定していた3%のコンバージョン率を大幅に下回る結果に。

対策 :自社商品・サービスの既存顧客データを分析し、年齢・性別・興味関心・地域などを精密に設定する。

失敗パターン3:ランディングページ(LP)に問題がある

広告のクリエイティブは魅力的でクリック率は高いものの、遷移先のランディングページで離脱されてしまうケースです。

なぜ失敗するのか

  • 広告とLPの内容に整合性がない
  • ページの読み込み速度が遅い
  • 申し込みフォームが複雑で途中離脱が発生
  • スマートフォン対応ができていない

具体例 :「初回限定50%オフ」という広告でユーザーを集客。しかしLPでは通常価格しか表示されておらず、広告との整合性がない。さらにフォーム入力項目が20個以上あり、途中で諦めるユーザーが続出。広告費10万円に対して成果は1件のみ。

対策広告とLPの訴求内容を統一し、ユーザビリティの向上(読み込み速度、フォーム最適化、スマホ対応)を図る。

失敗パターン4:競合分析を怠る

自社の広告だけを見て、市場全体や競合の動向を把握していないケースです。

なぜ失敗するのか

  • 入札価格の相場感がつかめない
  • 競合より魅力的でないクリエイティブで勝負してしまう
  • 競合が使っていない有効なキーワードを見逃す

対策定期的に競合他社の広告出稿状況、使用キーワード、クリエイティブの傾向を調査し、自社の戦略に活かす。

失敗パターン5:短期間で判断してしまう

1週間〜1ヶ月程度の短期間で「効果がない」と判断し、改善を行わずに広告を停止してしまうケースです。

なぜ失敗するのか

  • 統計的に意味のあるデータが蓄積されていない
  • 改善の機会を逃してしまう
  • 学習機会を失い、次回も同じ失敗を繰り返す

対策最低でも3ヶ月程度の運用期間を設定し、週次・月次でデータを分析して継続的に改善を行う。

重要な気づき:広告は手段であり、戦略が不可欠

ここまで様々な失敗パターンを見てきましたが、共通して言えるのは広告はあくまで手段であり、成果を出すにはWebマーケティング全体の戦略が不可欠ということです。
広告費用の相場を知ることは重要ですが、それは戦略の一部に過ぎません。

本当に重要なのは、

  • 市場分析:自社商品の市場ポジションと競合状況の把握
  • 顧客理解:ターゲット顧客のニーズ、行動パターン、購買プロセスの理解
  • カスタマージャーニー設計:認知から購買までの顧客体験の最適化
  • コンテンツ戦略:各段階で提供すべき情報と訴求方法の設計
  • 効果測定と改善:データに基づいた継続的な最適化

単発的な広告出稿ではなく、これらの要素を統合した包括的なマーケティング戦略があってこそ、広告費用を有効活用し、持続的な成果を生み出すことができるのです。

表面的な費用の話だけでなく、Webマーケティングの本質を理解し、戦略的にアプローチすることで、初めて投資としての広告運用が可能になります。



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必見!Web広告の費用対効果を高める5つのポイント

Web広告の費用は一定ではなく、上限下限も決まっていません。そのため、できるだけ費用をおさえながら大きな効果を得ることが理想ですね。

ここでは、Web広告の費用対効果を高めるための5つのポイントを解説します。

1. KPIの明確化

まずKPIを明確に設定しましょう。

KPIを設定することで、運用中の成果を数値で測定し評価することができます。例えばリスティング広告で効果の薄いキーワードを発見して変更するなど、課題に対する改善策を講じることで、ムダを減らし効率的な運用を可能にします。

KPIには、CTR(クリック率)CVR(コンバージョン率)CPA(顧客獲得単価)ROAS(広告費用対効果)が主に用いられます。

KPIとは
「重要業績評価指標」と訳され、目標達成度合いを測るための重要な指標のことです。最終目標達成のためのプロセスを評価します。

2. ターゲットを狙って配信先を見直す

狙ったターゲットに確実に広告を届けられるよう、配信先を見直すことも費用対効果の向上につながります。

ターゲティングの精度を高めることは広告の成果に直結します。ターゲットが曖昧になっていないか、細かいセグメントが設定できているかを確認し、最適化することを継続しましょう。

年齢や性別の他、興味関心や地域、行動など詳細設定をチェック!

3. クリエイティブの質を高めて魅力的に

クリエイティブの印象も、成果を左右する要素のひとつです。

バナーやキャッチコピーひとつとっても、画像や言い回しなどターゲットにささるものであれば、CTR(クリック率)に大きく影響します。

精度を高めるには、「ABテスト」の実施がおすすめです。複数パターンを同時に出稿し、反応を確認して効果の大きいものに絞っていくことで、高品質なクリエイティブを見極めることができます。

ABテストとは
2つ以上のバージョン(AとB)を用意し、どちらがより良い成果(コンバージョン・クリック率など)を出すかを比較・検証する手法。検証対象は、LPの見出しやボタン、広告文、画像、配信時間などです。

4. 効果の高い広告に重点を置いて予算配分する

複数の広告を実施する場合、効果の高い広告に予算を配分していくことでも費用対効果を高められます。

キーワードや広告文、画像の効果を判断する場合もあれば、配信する時間帯や曜日を絞り込んでいく方法もあります。

・効果が出ないもの→中止
・効果の薄いもの→予算を減らす
浮いた予算を効果の高いものに集中配分すると効果を出しやすくなります!

5. 効果測定をして分析と改善を繰り返す

効果測定をして分析と改善を繰り返すことはマーケティングの基本です。

特に運用型広告では、出したら終わりではなく、出稿が出発です。成果を分析し、改善策を練って実行に移すPDCAが命ともいえます。

成果を分析する際は、あらかじめ設定したKPIにそって評価をしましょう!


Web広告の効果を高めて成功させるには、数値に基づいた運用が重要です。

正しく計画し実行、分析すれば費用対効果をグンと高められる可能性が大いにあります。PDCAの重要性を理解し、継続的な最適化を目指しましょう。

効率的な運用を!Web広告費用をおさえる5つのコツ

Web広告は、少ない予算でも工夫次第で効果を出すことが可能です。ムダを省いてしっかりと成果を出せるよう実践のコツを紹介します。

1. 除外キーワードを設定する

リスティング広告では、関連性のないキーワードが検索された際に広告が表示されないように設定することができます。

除外キーワードを設定しておくと、無駄クリックによる広告費の発生を防ぐだけでなく、広告の関連性の向上CPC(クリック単価)の改善など、様々な効果があります。

設定自体は簡単にできるので、ぜひお試しいただきたいコツのひとつです。

2. 配信スケジュールを最適化する

配信スケジュールを最適化するのも、すぐにできる費用節約策のひとつです。

テスト運用してみると、成果が出にくい深夜などの時間帯や休日、またはビジネスの種類によって反応が薄いタイミングをデータから確認できるはずです。そのようなタイミングを把握できたら配信を停止し、反応の高い時間帯や曜日に集中させます。

スケジュール設定を見直すだけでも費用をおさえる効果があります。ぜひ継続しましょう。

3. まずは小規模運用で試してみる

Web広告を開始する際は、少額でテスト運用から始めることをおすすめします。

運用型広告は、調整しながら精度を高めて運用を継続していくものです。大きな失敗を回避するためにも、まずは数万円の投資で傾向やパターンを掴み、最適化を経て本格的な運用に移行しましょう。

▼あわせて読みたい
こちらの記事でも低予算広告について詳しく解説しています。
「低予算でも広告運用できる?予算に見合った広告アカウント構築の考え方」

4. 国や地方自治体の補助金も活用できる

内部ですべてを賄わなくても、経済産業省や地方自治体が定める補助金を活用できる場合があります。

書類作成や申請の手間はかかりますが、費用負担を削減できるなら頼もしい制度です。自社の規模やビジネスが対象になるかどうか、ぜひ確認しましょう。

5. インハウス化し自社で運用する

Web広告の運用業務をインハウス化し、自社で運用できると大きなコスト削減が叶います。

外部の代理店などに運用代行を依頼すると、一般的に20%程度の手数料が発生し、発注し続ける限り費用の発生も継続します。

社内で運用ができれば費用削減になるうえ、運用上で得たスキルやノウハウを会社の資源として残せるというメリットがあります。

社内にリソースを確保できるなら、長期的な視点で捉えるとインハウス化を検討するのもおすすめです。

▼あわせて読みたい
こちらの記事でも広告運用の内製化について詳しく解説しています。
「即戦力の広告運用体制を最短で手に入れる方法!Web広告運用スキルを内製化するための法人向けスクール5選」


Web広告の費用をおさえるには、すぐに取り組める対策も複数あります。運用データを分析し、簡単な課題からみつけて工夫してみましょう。

株式会社ブレイクでは、広告運用担当者の育成プログラムを提供しています。
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【Q&A】Web広告費用に関する疑問を解決!

Web広告に関してよくある疑問をピックアップしました。解決に役立てば幸いです。

いくらあれば始められる?

運用型広告では最低料金の設定がないため、1日数百円からでも広告出稿が可能です。【2章】で各広告の相場を解説しているので、参考にしてください。

予算が少なくてもWeb広告を出せる?

自社の目的やターゲットにあわせて予算を組んでみましょう。はじめは月額数万円程度でテスト運用をしてみて最適化を進めれば、費用をおさえる運用も可能です。【5章】で解説している「費用をおさえるコツ」もぜひ参考にしてください。

広告の効果測定はどのようにする?

KPIを設定しておくことが大切です。指標例としては、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、CPA(顧客獲得単価)、ROAS(広告費用対効果)があります。数値で計測できると成果を一目で判別でき、課題をみつけやすくなります。

広告費以外の周辺コストは?

画像や動画などのクリエイティブの制作費や、外部に代行依頼する際の手数料があげられます。予算を組む際には、広告費以外のコストも含めておきましょう。

Web広告の費用相場を知って費用対効果を高める運用を

Web広告には様々な媒体があり、料金形態もそれぞれ異なります。

だれに、何を、どのように訴求したいのかを明確にすることから始めてみましょう。


Web広告の運用は専門的な用語が多く、スキルも必要です。

自社にWeb広告運用担当者を育てたいとお考えなら、株式会社ブレイクにぜひお気軽にお問い合わせください。無料相談や無料セミナーも用意し、広告運用のインハウス化を支援しています。

【導入事例】法人受講者特別インタビューをご覧いただけます