【GA4入門】コンバージョンが表示されない?イベント設定のコツを解説

Webが発展した現在、自社のサイトを持つことは、認知度の向上やブランディングの観点から、
もはや企業にとって欠かせないものとなっています。
しかし、せっかくサイトを作成しても、その後は更新されず放置されている―
そんなケースも少なくありません。
そこで今回は、サイトを作った“その後”にやるべきこととして、GA4(Googleアナリティクス4)というツールを使ったサイト分析の基本を解説します。
GA4は設定がやや複雑で、初心者にはハードルが高く感じられがちです。
この記事では、その中でも特に重要な「イベント設定」に絞って、設定方法や設定時によくある
困りごとなどを実画面を用いながらわかりやすく紹介していきます。
GA4とは?分析ツールで自社サイトのユーザー行動を可視化する

そもそも自社HPを作成した後、なぜ放置されてしまうのでしょうか。
その最大の理由は、作成した後にやるべきことがわからない、というものと考えられます。
まずはやるべきことを簡単に整理した上で分析ツールについて理解していきましょう。
・サイト作成の目的を踏まえて、作成後に必要となる行動を理解する
・サイトを運営する上で分析が非常に重要となる
※サイト作成の意味や作成した後に何をしてよいか分からない方は、この章から確認しましょう。
自社サイト作成の目的|サイトを通じて知ってもらう
企業サイトを検索すると、コンテンツとして自社の理念や社長のメッセージ、会社の沿革やニュースなどが掲載されているのを目にすることでしょう。また、採用サイトなどではスタッフのインタビューなどが掲載されることもしばしばあります。
これらは各企業が”自社のことを知ってもらう”ことを目的として作成しています。
検索・流入とユーザー行動|知ってもらうまでのハードル
せっかく作成したサイトも、中身をしっかり読んでもらわなければ、知ってもらうという目的を
達成することは出来ません。
しかし、読んでもらうまでには大きく分けて2つのハードルが存在します。
①検索に表示され、表示されたサイトにユーザーが流入する
②流入したユーザーにコンテンツを読んでもらう
そこで、これらの観点からうまくサイトが運営できているかどうかを分析していくことが重要と
なります。また、分析した結果をもとに上手くいっていない部分を適宜改善することも重要です。
GA4を用いたサイト分析|ユーザー行動を分析しサイトの改善に繋げる
上記の内、特に②について分析ができるツールが、GA4です。
GA4は正式名称をGoogle Analytics4といい、Googleが提供する無料の分析ツールです。
サイトは複数のページで構成されています。GA4を用いればページごとのPV数はもちろんのこと、どれだけ滞在されているのか、スクロールされているのかなどのデータから、ユーザーに読まれているページかそうでないページかということまで確認することができます。
そのため、GA4はコンテンツの改善を行うために必須の分析ツールとなるのです。
コンバージョンの意味とGA4での違い|キーイベントとは?

そんなGA4ですが、多機能な分、初心者にとっては扱うのが難しいツールでもあります。
そのため、内容を絞って一つ一つ理解していきましょう。
本記事は、GA4の分析に欠かせない「イベント」について説明する記事です。ここでは、イベントを理解するために重要となる「コンバージョン」と「キーイベント」という用語を解説します。
・GA4における用語について解説
・混乱しやすい「コンバージョン」という用語の意味を解説
※GA4を初めて使う方、GA4とコンバージョン設定と聞いてよくわからなくなっている方はこの章を確認してください。
マーケティングにおけるコンバージョンの意味
コンバージョンは、変換するという意味の言葉です。マーケティングにおいては「訪問したユーザーが顧客に変換した」という意味で、ビジネス上の成果のことをコンバージョンと呼びます。
例えば、Web上の広告から商品購入が1件成立した場合に、コンバージョン1件とカウントします。コンバージョンは商品購入だけでなく、資料請求などにも用いられます。
このように「成果」として何を計測するのかによってコンバージョンの中身は変わります。
GA4におけるコンバージョンとキーイベント
GA4ではコンバージョンという言葉は使われませんが、便宜的にコンバージョンと呼ばれることがあります。これには理由があります。
GA4ではサイトに訪れたユーザーの行動を計測します。このユーザー行動の指標を「イベント」と呼びます。
イベントの中で「達成目標」として設定し、特に重要視するユーザー行動のことを「キーイベント」と呼びます。
例)
ブログ記事に商品購入ページへリンクするボタンを設定したとします。そのリンクから商品購入ページに移動した数を計測したいと考えた場合に、これを「キーイベント」として設定します。
GA4の前身であるUAというツールでは、キーイベントのことをコンバージョンと呼称していました。しかし、Google広告という別のツールでもコンバージョンという言葉が使われており、用語を分ける目的でGA4では名称が変更されました。
GA4でコンバージョンと呼ぶのは元々UAを利用していた人にとってその方が伝わりやすいという理由があるというわけです。これからGA4を学ぶ方はキーイベントと覚えましょう。
まとめると以下の通りです。
ツール | 用語 | 意味 |
---|---|---|
Google広告 | コンバージョン | 広告上での達成すべき「成果」の指標 |
UA | コンバージョン | 「達成目標」として計測したいユーザー行動 |
GA4 | キーイベント | 「達成目標」として計測したいユーザー行動 |
GA4でイベントを収集する|何をトラッキングすべきか

前章では、サイト内でのユーザー行動のことをイベントと呼ぶと説明しました。
この章では、イベントの中で特にどこに注目すべきかという点について解説します。
・GA4のイベントの種類について解説
・事例を用いてイベントデータの分析に関する考え方を解説
・キーイベント設定に関する考え方を解説
※GA4のイベントに関して解説した章です。イベントについて知りたい方はこの章を確認しましょう。
GA4のイベントの例|サイト内でのユーザー行動を理解する
イベントについて例を用いて説明しましょう。
例)記事を集めたブログサイト(A)は3つの記事a、b、cで構成されているとします。
STEP1:1人のユーザーが、検索してaのページが表示されクリック、(A)に流入しました。
STEP2:aのページを最後まで読み切ったあと、リンクされていたbのページに移行。
STEP3:そのままcのページは読まずにサイトから離脱しました

このそれぞれのユーザー行動はすべてGA4で計測されており、これをイベントと呼びます。
興味があればあるほど、ページをしっかりと読むため、滞在時間も長くなりますし、スクロールしたり何度も読み返したりします。つまり、ユーザー行動はユーザーの興味を反映しているということです。
上記の例の場合、それぞれのイベントは以下のように考えられます。
・PV(ページビュー)
クリックしページに辿り着いたことを意味する。
→ユーザーが(a)、(b)の内容を読む前に、タイトルなどで興味を持ったことが伺える。
・スクロール
ページをどこまで読んだか、読了率を意味する。
→(a)は読了しており、内容もユーザーにとって興味深かったものと考えられる。一方、途中離脱が起きた(b)はタイトルで興味を持ったが、内容が有益ではないと判断された可能性がある。
・移行、離脱
離脱率はページごとの、そのページから離脱した率を意味する。
→(b)に移行したユーザーが、(c)には移行せず離脱している。(b)が期待した内容ではなかったのか、あるいは(c)に興味が湧かなかったのか、などと考えることができる。
キーイベントの見つけ方|サイトのゴールに直結する行動を探る
イベントについて理解したところで、サイトにとってのキーイベントを考えてみましょう。
何をキーイベントとするかはサイトによって異なるので、以下のポイントに沿って、自社の
キーイベントを考えてみてください。
1.サイトの目的を明確にする
(例:問い合わせを増やす、資料請求を促す、採用応募を獲得する など)
2.目的達成に関係する「重要な行動」や「コンテンツ」を洗い出す
(例:料金ページを見た、問い合わせフォームを開いた、会社概要ページを読んだ など)
3.その行動が“どのような状態になったら”成果に近づいたといえるかを考える
(例:フォーム送信ボタンをクリックした、特定ページの滞在時間が長い など)
4.それらの行動が正しく計測できるかも確認する
GA4では、自動で取得できるイベントと、カスタムで設定すべきイベントがあるため、規定のイベントになければ自身で設定する必要がある。
キーイベントとカスタムイベントの設定方法|うまく表示されない原因と対処法も解説

前章では、キーイベント設定のための考え方を説明しました。この章では具体的にキーイベントを設定する方法について解説します。
また、設定した際にうまく表示されない、という声もありますのでその原因と対処法について説明します。
・キーイベントの設定方法について解説
・カスタムイベントの作成方法について解説
※設定方法が今一つ分からないという方はキャプチャ画像を見ながら手順を確認しましょう。
イベントの管理とキーイベントの設定方法
実際にGA4を設定していきましょう。デモサイトのGA4アカウントを用いて実際に画面を共有していきます。なお、本記事は2025年5月29日作成時点でのVer.を基に記載しています。
※GA4のアカウント作成については事前におこなってください。
詳しくはGoogle公式のヘルプセンターを確認しましょう。
①GA4を開いたら、左下の管理のボタンを押し、データの表示の項目からイベントの項目を開いてみましょう。
②イベントを押すと、以下のようなページが表示されます。これが現在収集されているイベントの一覧です。前月にくらべて増加していれば緑の↑と数字、減少していれば赤の↓と数字が変化率として記載されます。
③「既存のイベント」の一覧の中で一番右の欄の「キーイベントとしてマークを付ける」のボタンをONにしてください。今回はpage_viewをキーイベントに設定します。項目の一覧から、キーイベントの項目に飛ぶと反映されていることを確認しましょう。これで設定は完了です。
キーイベント設定前)
キーイベント設定後)
カスタムイベントの作成方法
GA4のイベントは、上記のように最初から収集されているイベントの他に、自分でイベントを作成する「カスタムイベント」があります。
①イベントの項目から「イベントを作成」と押すとカスタムイベントを作成することができます。
②作成を押すと、詳しく記入するフォームが出てきます。
今回は分かりやすくTopページから一つ目の記事に遷移した場合のイベントを作成してみました。
カスタムイベント名は日本語表記も可能です。今回は説明のため日本語にしています。
・event_nameはpage_viewとすることで対象ページのPVを測定します。
・page_locationは計測するページです。値には計測したいページのURLを入れています。
・page_referrerは移行する前にいたページです。今回はTopページからの移行を測定するので、TopページのURLを入れています。
設定自体はこれで完了です。表示されたら、上述した通り「キーイベントとしてマークを付ける」をONにすればキーイベントとして設定できます。
初心者の躓きポイント|作成したカスタムイベントが表示されない?
せっかく作成したカスタムイベントが、一覧に表示されずキーイベントに設定できない、という事例があります。その原因はどこにあるのかをご説明します。
①時間を要している
「既存のイベント」の一覧に表示されるまでには時間を要します。最大で24時間ほど処理までに時間を要することもあるので表示されるまで待ちましょう。
②GTMの設定ミス
カスタムイベント作成時にGTMを使用した際に、トリガーやタグの設定にミスがある場合に表示されないことがあります。設定にミスがないか確認し、プレビューモードでイベントが正しく発火するかどうか確認しましょう。
コラム:イベントを作成した時点でキーイベントの設定が可能
2025.5.29現在のVerでは、キーイベントのページでキーイベントを作成することができます。右上の新しいキーイベントのボタンを押し、新しいイベント名の欄に該当する名前を入れて保存を押すと以下のように作成したイベントがキーイベントとして表示されます。
これは、カスタムイベント作成後すぐの「既存のイベント」に表示されていない状態でも表示されます。ただし、カスタムイベントは「既存のイベント」に表示されるまでは、キーイベントに表示されていても数に変化はありません。
以上、GA4のイベント設定方法について解説しました。詳しくは他の記事にも記載してますので、是非ご確認ください。
また、頻繁に更新されるため、逐次Google公式のヘルプセンターも確認するようにしましょう。
GA4を使いこなすための初期設定チェックリスト

ここまで、GA4のイベント設定について解説してきました。GA4はサイト運営するなら必須ともいえる強力なツールです。
しかし設定が難しく、初心者にとっては、どのサイトの説明を見てもなかなか理解が難しいものでもあります。
そのため、本記事ではイベント設定にのみ焦点を当てて解説をしました。実際のところ、初期設定は他にもやることがたくさんあります。
最後に、ほかに必要となる初期設定について簡単にご紹介します。
GA4の設定で確認しておくこと|チェックリスト
イベントの設定の他、以下の項目についてカスタマイズ設定ができます。
データの収集に関する設定は、設定した時点からしか収集されないため初期に行う必要があります。
①データの保持期間
2~14か月まで保存可能。デフォルトでは2か月となっている。
②内部トラフィックの除外
自分がサイトにアクセスしたデータを除外しデータに含めないようにする設定。
③Google広告、SearchConsole等とのリンク
必要に応じて、Googleの他のサービスと連携しそのデータを表示することができる。
④レポートのカスタマイズ
レポートに表示する項目をカスタマイズして追いたいデータを表示することができる。
⑤探索のカスタマイズ
自分で選んだ項目を見やすいようにグラフ化できる。レポートより詳細な分析が可能。
⑥オーディエンス設定
条件を設定し、その条件に合うユーザーをグループ化する機能。
⑦カスタム定義
カスタムディメンションや指標を作成し探索レポート内で項目として表示できる。
※レポート、探索、広告のカスタマイズは実行しながら徐々に行っていくことで問題ありません。
GA4はどこで学べる?|BMP法人向け講座ご紹介
上記のチェックリストを見れば、初期設定だけでも難解に感じることでしょう。またそれだけではなく、表示されたデータの見方なども最初はわからないことが多いものです。
データとして表示する内容まで自分で決めるカスタマイズ性の高さが、初心者にとっては慣れるまでの大きな障壁となるのです。
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BMPの特徴
BMPは実践型の課題をベースに短期間でWebマーケティングのスキル習得を目指すWebマーケティングスクールです。法人向けのマーケティング講座も実施しています。
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まとめ
以上、GA4のイベント設定について解説してきました。最後に本記事のポイントをまとめます。
・サイトを作成した後もユーザー行動を分析し改善を続けることが重要である
・GA4ではコンバージョンではなくキーイベントと呼称する
・自社サイトにとって重要なイベントをキーイベントとして設定する
・サイトの目的を考慮して成果に繋がるユーザー行動を考えてキーイベントとする
・GA4ではイベントだけでなく様々な種類の設定が必要となる
GA4は取り扱いが難しいからこそ、使いこなせるようになれば自社サイトの分析・改善に大きく貢献できるツールです。GA4を学ぶことで、自社のサイトをより良いものにしていきましょう。
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