GDNとリスティング広告の違いを5分で理解|目的別使い分け&併用戦略

GDNとリスティング広告の違いを5分で理解|目的別使い分け&併用戦略

Google広告を始めるとき、「GDNとリスティング広告、どちらが自社に合うのだろう…?」と迷ったことはありませんか?

実は、表示される場所もユーザーの温度感も、そして費用対効果もまったく違います。
仕組みを知らないまま配信すると、広告費ばかりが膨らみ、思ったような成果が得られないことも。

この記事では、GDNとリスティングの違いを〈5つの比較表〉と〈Yes/Noチャート〉でサクッと整理し、わずか5分で「今選ぶべきチャネル」が見つかるようにしました。
さらに、両者を組み合わせて成果を伸ばすコツや、つまずきやすい失敗ポイントとその直し方も、実務の視点でわかりやすくまとめています。

「広告費をムダにせず、結果につなげたい」とお考えなら、どうぞ最後までご覧ください!

目次

GDNとリスティング広告の違いを早わかり【5項目比較】

「GDNとリスティング、名前は知っていても違いがいまいちピンとこない…」  
そんな方は少なくありません。

2つの手法は、掲載される場所も、届ける相手も、広告の役割も異なります。  
仕組みを知らないまま配信すると、ユーザーに届かず、広告費がムダになることも。

この章では、<5つの視点>から両者の違いを比較し、どちらを選ぶべきかをスピーディーに判断できるよう整理しました。  
迷ったときの判断軸として、ぜひ活用してください。

掲載面×ユーザー到達ステージで見る違い

GDN(ディスプレイ広告)とリスティング広告(検索広告)の大きな違いは、「どこに表示されるか」と「どんなユーザーに届くか」です。

GDNは、ニュースサイトやYouTubeなどの提携メディアに表示され、まだサービスを探していない“潜在層”に広く認知を届けるのに適しています。

ディスプレイ広告の表示場所説明

一方、リスティングはGoogle検索結果に表示され、「○○ おすすめ」など具体的な検索語句を使う“顕在層”にピンポイントで訴求できるのが特徴です。

リスティング広告の表示場所説明

以下の早見表に、両者の違いを整理しました。

【GDNとリスティング広告の違い早見表|5つの視点で比較】

比較項目 GDN リスティング広告
掲載面 Google提携サイト、YouTube、アプリなど Google検索結果ページ
ユーザーの段階 潜在層(まだ課題に気づいていない、情報収集中) 顕在層(今すぐ課題解決を求めて検索している)
表示のされ方 ターゲティング条件に合うユーザーに自動で表示 検索語句にマッチした広告が表示される
主な目的 認知拡大・リマーケティングなど幅広い接触機会の創出 顕在層のニーズに即応し、直接CVにつなげる
向いている商材・訴求 無形商材、検討期間が長い商材、体験訴求 明確なニーズがある商材、価格比較・検討系の訴求

届けたいのは「まだ知らない人」か「今すぐ探している人」か──まずは、その違いから広告を選んでみましょう。

課金方式とメリットを比べる

広告の成果を左右するのは、掲載面やターゲットだけではなく、「どう費用が発生するか=課金方式」も大きく関係します。

GDNとリスティングは、課金方法や得意とする役割に違いがあります。
なんとなく配信を始めてしまうと、費用ばかりがかかって思ったような成果が伸びない恐れがあります。

GDNとリスティング、それぞれの課金方式と得意領域をまとめたのが以下の表です。

【GDNとリスティング広告|課金方式と強みの違い】

観点 GDN リスティング広告
主な課金方式 CPC(クリック課金)、CPM(インプレッション課金) CPC(クリック課金)のみ
特徴 CPCの場合は表示されるだけなら費用が発生しない。広く配信でき認知向けに強い 検索行動のあるユーザーに直接届き、CV率が高い傾向
強み ターゲティングの幅が広く、リマーケティングにも有効。費用対効果を調整しやすい ニーズ顕在層に届きやすく、入札競争はあるが成果につながりやすい
相性が良い施策 認知拡大(例:ブランド訴求)、リード獲得(例:無料体験) 商品購入(例:ECサイト)、サービス比較(例:料金表DL)
課金に関する注意点 課金方式によって異なる:
・CPCの場合は表示だけでは費用発生なし
・CPMの場合は表示ごとに費用発生
キーワードによってはCPCが高騰しやすく、単価調整が必要になることも

GDNとリスティングの役割を整理すると…

GDN

幅広いユーザーへのリーチやリマーケティングに適しており、認知から興味喚起までを支える役割。

リスティング広告

「今すぐ解決したい課題」を持つユーザーに直結するため、コンバージョン獲得に向いています。

課金の仕組みを理解しておくと、費用の“かけどころ”が見えてきて、ムダのない広告運用につながります。

活用シーン診断チャート|最適な使い分けを選ぶ

「違いは分かったが、うちの商材にはどっちが合うの?」──そんな迷いを感じている方も多いはずです。
GDNもリスティングも強みがあるからこそ、判断には商材の特徴やユーザー心理の見極めが欠かせません。

以下の診断チャートをご覧ください。

◆ Yes/No診断チャート

以下の3つの質問にYes/Noで答えてみてください。

1.今すぐに比較・検討している顕在層に届けたいですか?
2.商材の内容は、検索されやすい(ニーズが顕在化しやすい)ものでしょうか?
3.サイトへの訪問履歴があるユーザーに再アプローチしたいですか?

すべてのパターンに“正解”があるわけではありません。 
まずは以下の診断結果から、自社の判断材料に合う広告を選ぶヒントを探ってみましょう。

【診断結果早見表|使い分けのヒント】

回答パターン 向いている広告 次のアクション例
1.Yes/2.Yes/3.No リスティング 顕在層向けにキーワード設計とLP最適化を見直す。
1.No/2.No/3.Yes GDN リマーケティングで再訪〜CV(コンバージョン)を促進。
1.Yes/2.No/3.Yes GDN+リスティング併用 潜在層認知→検索→CVのファネルを設計。
1.Yes/2.Yes/3.Yes リスティング+GDN(リマーケ) 新規獲得+再訪促進でCV最大化を狙う。
1.No/2.No/3.No GDN カスタムセグメント※などで潜在層を認知段階から育成。

※キーワードやURLを基に、興味が近いユーザーを自動で抽出するGDNのターゲティング機能

チャネルの向き・不向きは、配信前にすべてを見極められるとは限りません。
まずは「なぜこの広告を選ぶのか」を、自分の言葉で説明できる状態を目指しましょう。
それが運用成功の第一歩です。

広告チャネル選びでつまずく3つの壁と対処法

「GDNとリスティングの違いは理解したけれど、いざ自社に合う広告を選ぼうとすると迷ってしまう…」そんな声をマーケティングの現場ではよく耳にします。

特に、掲載面のイメージ・費用対効果・社内説明などの場面で「判断に自信が持てない…」と感じる方も多いはずです。

この章では、広告配信前によく直面する3つの“壁”を紹介し、それぞれに対する対処法を実務目線でわかりやすく整理しました。
読み終えるころには、「どの広告をなぜ選ぶか」を自信を持って語れるようになります。

壁① 表示タイミングは?|ユーザーの“閲覧時の気持ち”が想像できない

GDNはディスプレイ広告、リスティングは検索広告――そんな掲載面の違いは理解していても、「どんな気持ちのユーザーに、どのタイミングで表示されるか」まで想像できているでしょうか?

実は、この“気持ちの温度”こそが、伝わる広告設計のカギになります。
見た人が「どんな気分でその場にいるか」を考えることが、広告づくりの出発点になります。

◆ ユーザーの“行動と気持ち”をセットで捉える

広告は、「いつ」「どんな気持ちで」見られるかによって、響き方が大きく変わります。
以下の表で、よくある行動と気持ち、そのとき適した広告表現を整理しました。

【ユーザー行動 × 気持ち × 表示される広告 × 設計のヒント】

ユーザーの行動 気持ち・心理状態 表示される広告 設計のヒント
YouTubeで動画を見ている リラックス中、なんとなく興味を広げたい GDN(動画冒頭や合間に画像・動画) 印象に残るビジュアルで気づきを与える
ニュースサイトを流し読みしている 受け身で情報収集中、暇つぶし GDN(記事の合間に静止画バナー) 「あるある」や共感ワードで注意を引く
Googleで「○○ 比較」と検索している 今すぐに課題を解決したい リスティング(検索結果上部) 明確な訴求+安心できるCTAを配置
Googleで「×× おすすめ」と検索している 迷いながらも前向きに検討中 リスティング(検索結果下部) 口コミ・比較・レビューで後押し

こうした「行動」「気持ち」「表示場所」「表現」をセットで捉えることで、広告の届け方に具体性が生まれます。

◆ 表示の“瞬間”を想像すると、訴求が明確になる

例えば――

「忙しいビジネスパーソンが移動中にニュースアプリを見ている」

そんなときに表示されるのがGDNなら、一瞬で目に留まる画像+短いキャッチコピーが効果的です。

一方で、「今すぐ引っ越し業者を探している人」が検索しているときに出てくるリスティングでは、価格やスピード感など、“即決できる材料”をしっかり示すことが求められます。

◆解像度を上げる3つのチェック視点

掲載面の“気持ち”を考えるには、以下の3つの視点が役立ちます。

✅ ユーザーはどんな気持ちでそこにいる?(暇つぶし/問題解決中 など)
✅ その心理状態に合う表現は?(視覚的・言葉・ベネフィット型 など)
✅ 広告を見た瞬間、どんな反応を引き出したい?(気づき/共感/即アクション)

こうした視点を持つことで、「ただ出す広告」から「伝わる広告」へと設計を変えることができます。

◆ 掲載面だけでなく「気持ちの温度」を見る視点が広告設計を変える

GDNは「なんとなく見ている人」に届く広告
リスティングは「今すぐ知りたい人」に届く広告

この“気持ちの温度”を軸に考えると、同じ掲載面でも設計に差が生まれます。

「どこに出ているか」だけでは、設計のヒントとしてはまだ足りません。
大切なのは、“どんな気持ちでその広告と出会うか”。

「どんな気持ちで出会うか」を想像するだけで、広告は“ただ出す”から“伝わる”へと変わっていきます。

壁②CPAはどう計算?|費用対効果をイメージできない


「結局、GDNとリスティングって、どっちが得なの?」──そう迷っても、CPA(顧客獲得単価)をどう見ればよいかが曖昧だと、判断に困りますよね。

まずは基本となるCPAの計算式を確認しておきましょう。

💡CPA(顧客獲得単価)=広告費 ÷ コンバージョン数(CV数)
→ 1件の顧客を獲得するのにかかった費用を表す指標です。

例えば、月10万円の広告費で50件のCVがあった場合、CPAは「2,000円」となります。
この数字が、自社の許容できるコストかどうかが、広告判断の基準になります。

◆GDNとリスティングでは“前提条件”が違う

GDNとリスティング広告では、CPAに影響する「そもそもの目的」や「接触ユーザーの温度感」が異なります。
以下は、よくある違いをまとめた一覧です。

【GDNとリスティング広告|CPAに影響する前提条件】

比較視点 GDN リスティング広告
主な目的 認知拡大・潜在層へのリーチ 顕在層の獲得・CV促進
コンバージョンまでの距離 長め(何度か接点が必要) 短め(即CVも多い)
CPAの傾向 リスティングより低めなことも 高めでもCVに直結しやすい

このように、単に「安い・高い」ではなく、広告の役割や接点数も考慮して評価することが大切です。

GDNとリスティング広告それぞれの平均CPC・CPA・CVRについては、
次章の 【平均CPC・CPA・CVRを最新データ比較】 でわかりやすく一覧にまとめています。
「自社の数値は高い?低い?」といった判断のヒントになりますので、ぜひあわせてご覧ください。

◆CPAは「コスト」ではなく「投資」として考える

最後にもう一点、意識しておきたいのが考え方の軸です。

CPAは単なる“支出”ではなく、成果につながる“投資”と考えること。

「単価が多少高くてもLTV(顧客生涯価値)で回収できるか?」という視点を持つと、価格だけに惑わされない判断ができるようになります。

壁③上司を説得できない?|社内説明の材料が足りない

「GDNとリスティング、どちらが効果あるの?」──そんな質問に言葉が詰まった経験はありませんか?
専門用語は伝わりづらく、「なんとなく」で話しても納得は得られません。
そんなときは、シンプルに“違いを言い切る”ことが説得力につながります。

GDNは、「普段なんとなく目に入る“認知目的の広告”
リスティングは、「探している人にだけ出る“今すぐニーズ向けの広告”

このようにひとことフレーズで整理したうえで、「どんな目的で・誰に届けたいか」に応じて使い分けて話すと、相手の理解が一気に深まります。

さらに納得感を強めたいときは、以下のような“補足の一言”を添えるのがおすすめです。

・GDNは、動画や画像バナーで“まだ知らない層”にアプローチできます。
・リスティングは、検索結果に自然に表示されるので“今すぐ解決したい層”に効果的です。
・商材の検討期間が長い場合は、GDNで認知→検索→CVという流れが作れます。

例えば――

オンラインスクールや住宅見学予約などは、検討期間が長いため「まず知ってもらう」ためにGDNで接点をつくる設計が効果的です。

一方、引越し見積もりサイトや即日対応サービスなど、今すぐニーズがある商材であれば、リスティングで検索ユーザーに直接届ける戦略が向いています。

💬上司に説明するときの一言テンプレ

「今回は、まだ知られていない層にブランドを知ってもらうため、バナー形式のGDNを選んでいます。」

→「即時CV狙いではなく、中長期的な接点を目的としています。」

こうした違いを目的と商材に照らして説明できると、説得力が増します。

まずは「なぜこの広告なのか?」を自分の言葉で言えるようにしておきましょう。 
それだけで、社内説明にも自信が持てるようになります。

成果を数字で比較|費用・効果ベンチマーク

広告チャネルを選ぶうえで、なんとなくの印象だけでは説得力に欠けます。

“数値という裏づけ”をもとに判断材料をそろえることが大切です。

例えば、「CPC(クリック単価)」「CPA(コンバージョン単価)」「CVR(コンバージョン率)」といった基本指標は、広告の成果を“見える化”する軸になります。
さらに、商材の特性や配信目的に応じて、「自社ならではのKPI設計」ができれば、運用の制度が確実に向上します。

この章では、GDNとリスティング広告の数値的な違いや、実際の事例、KPI設計のコツまでを一気に整理します。
「費用対効果を数字で納得したい」「上司への説明に使える指標がほしい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

平均CPC・CPA・CVRの最新データ比較

広告の成果を判断するには、「CPC」「CPA」「CVR」など主要指標の“今の相場感”を知っておくことが欠かせません。

今回は、2024年〜2025年にかけてのGoogle広告における最新ベンチマークをまとめました。
広告設計やKPIの目安づくりに、ぜひお役立てください。

◆GDNとリスティングの平均値を比較(2024〜2025年)

以下は、GDNとリスティングの平均値をまとめた一覧です。
あくまで業種や配信地域により幅がありますが、ざっくりとした目安として捉えてください。

【GDNとリスティング広告の平均指標比較】

指標 GDN リスティング広告
平均CPC(クリック単価) 約50〜100円 約150〜300円
平均CPA(コンバージョン単価) 約2,000〜5,000円 約3,000〜8,000円
平均CVR(コンバージョン率) 約0.5〜1.5% 約2〜5%

出典|【2025年最新版】Googleリスティング広告の費用の目安は?owned株式会社

このように、CPC・CVRの傾向から見て、GDNは「広く届ける」広告、リスティングは「確度の高いユーザーを獲得する」広告という特徴が数字にも表れています。

◆平均値の活用ポイント|「判断の軸」にする

平均値はあくまで参考であり、以下のような目的で使うと効果的です。

指標データの使い道
成果評価の軸にする:「業界水準と比べて高い or 低い」を知る
目標KPIの初期値にする:実績がない場合の目安として
チームや上司との共通言語にする:「このCPAなら許容範囲です」と説明しやすくなる

特に、社内での広告評価を行う際には「他社比較がないと判断できない…」と困ることも多いです。
そんなとき、平均値を根拠として持っておくと、数字に基づく判断がしやすくなります。

◆「自社の目標値」とどうすり合わせる?

一方で、「うちはCPCが平均より高い…」と落ち込む必要はありません。
以下のような背景を考慮して、“許容できる水準”かどうかで判断しましょう。

・BtoB商材でクリック単価が高くなるのは自然です。

・CVまでの導線が長ければ、CVRが平均より低くても問題ありません。

・LTVが高ければ、CPAがやや高くても十分に回収可能です。

つまり、平均値はあくまで「地図」であり、「ゴール地点」は各社で異なります。
自社の商材・単価・検討期間を加味して、“判断基準のものさし”として活用するのが賢い使い方です。

BtoB SaaS事例で見る数字の裏付け

「平均値だけ見ても、自社にあてはまるのか分からない…」
──そんな声に応えるため、ここではBtoB向けSaaSの事例をもとに、GDNとリスティングの成果の違いを具体的に見ていきましょう。

◆実際にあった広告運用の成果比較(BtoB SaaSの場合)

以下は、月間30〜50万円ほどの広告費で運用されていた、あるBtoB SaaS企業の事例です。
商材は、法人向けの業務効率化ツール(無料トライアルあり)です。

【BtoB SaaS事例|GDNとリスティングの成果データ比較】

配信媒体 目的 CPC CVR CPA LTV(1年)
GDN 認知拡大・無料登録誘導 約70円 約0.8% 約8,750円 約60,000円
リスティング広告 顕在層のCV獲得 約220円 約3.2% 約6,875円 約40,000円

※数字は実際の平均値を元に一部加工したイメージです。

数字から見えてくるポイントは、リスティングのCPAはやや低いものの、LTVはGDNの方が高いという点です。

◆LTVが高ければ「第一CV単価」が高くても問題ない

GDNは「今すぐ申し込む」ユーザーには届きにくいぶん、CVまでの距離は長くなります。
しかし、定期的な接点やリターゲティング設計を通じて、長期的なLTVを育てる効果が高いのが特徴です。

この事例では、GDNから入ったユーザーの方が有料プランへの転換率や契約継続率が高く、CPAが高めでも最終的な利益貢献が大きいという結果になりました。

◆リスティング広告の強みは「即CV」×「コンバージョン効率」

一方で、リスティングは「今すぐ解決したい人」に届くぶん、CVRが高くCPAも比較的抑えられました。
特にトライアルや無料相談といったCVハードルが低い設定においては、検索広告が強みを発揮します。

また、「ニーズの強さ」が確保された状態で集客できるため、見込みの質が安定しやすいという利点もあります。

◆意外と多いのが「短期指標だけで損をしている」ケース

このように、GDNとリスティングは、見かけのCPAだけでは優劣をつけにくい場合があります。
実際には、以下のような“もったいない判断”が起きているケースも少なくありません。

⚠️ 数字だけを見て判断すると、意図しない落とし穴に

・「GDNのCV単価が高いから停止」→後からLTVが高い層だったと判明

・「リスティングで安くCVが取れた」→受注率が低く、成約単価も低い

POINT

広告は“入り口”だけで評価しないことが、成果を逃さないためのポイントです。

GDNとリスティング、それぞれに「得意な集客タイプ」があることが数字からも見えてきました。
次のセクションでは、この事例をふまえて「どんな指標で成果を測るか?」というKPI設計の考え方をご紹介します。

KPI設計4ステップ

広告はクリックを集めるだけでは成果につながりません。 
“本当に見るべき数字”を決めておくことで、改善の方向性もブレずに進められます。

ここでは、GDNとリスティングを使うときに役立つ、KPI設計の4ステップを実務目線で整理しました。

✅ STEP①:ゴール(最終的に得たい成果)を明確にする

まずは、「この広告で何を達成したいのか?」というゴールをはっきりさせましょう。

  • お問い合わせを増やしたい
  • 資料請求や無料トライアルを促したい
  • 認知を広げて、指名検索を増やしたい

目的が違えば、見るべき指標も自然と変わります。

✅ STEP②:媒体ごとの「役割」を整理する

GDNとリスティングでは、接触するユーザーの“温度感”が異なるため、役割も違ってきます。

配信媒体 主な役割 見るべき中間KPI
GDN 潜在層への認知・興味づけ CTR・表示回数・視認率・リーチ数
リスティング広告 顕在層のCV獲得 CV数・CVR・CPA

例えば、GDNで直接のCVが少なくても、リーチ数が増えて検索流入が伸びていれば成果としては十分です。
媒体ごとの“狙いどころ”を理解しておくと、KPIの評価がブレにくくなります。

✅ STEP③:KPIを“数値化”しておく

あいまいな目標では、評価や改善の方向性が定まりません。
次のように「数値+期間」で具体的に設定しておきましょう。

  • GDN:1ヶ月で視認率60%以上、リーチ1万件以上を目指す
  • リスティング:CVR3%以上、CPA5,000円以下で安定化させる

初期の目安でかまいません。配信後の振り返りで改善しながら精度を高めていきましょう。

✅ STEP④:全体設計は「ファネルの視点」も忘れずに

配信目的やKPIを整理したあとは、「広告ごとの位置づけ=ファネル設計」にも注目しておきたいところです。
GDNとリスティングは、ユーザーの心理段階に応じた“出し分け”がポイントになります。

ファネルごとの活用法については 【ファネル別使い分けと役割】で詳しく解説しています。
「GDNとリスティングの役割をどう併用するか?」という視点で、さらに理解を深めたい方は、ぜひ続けてチェックしてみてください。

◆KPIが明確になれば、改善も成果もぶれなくなる

広告の成功は、出稿前の設計と“見るべき数字の選定”で決まります。
「どの数字を追いかけるか?」を先に決めておくだけで、改善のスピードと納得感はぐっと上がります。

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【実践編】GDNとリスティング広告のターゲティング設計&計測

「広告の成果がいまひとつ伸びない…」
そんなとき、見直したいのが「ターゲティングの設計」と「計測の精度」です。

GDNとリスティングでは、届く相手も表示の仕組みもまったく異なります。
だからこそ、媒体ごとの特徴に合わせた設定が不可欠です。

この章では、実務で使える設計&計測のコツを解説します。

配信前の設定次第で、広告の成果はぐっと変わります。
成果に直結する“設計と計測の見直しポイント”を、実務目線で整理しました。  
マーケターの方の改善のヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

GDNのカスタムセグメント設定方法と類似ユーザー

GDNでは、「どんな人に見せるか」を柔軟に設定できるのが強みです。
特に「カスタムセグメント」や「オーディエンス拡張」を活用することで、自社に関連するユーザー層へピンポイントにリーチしやすくなります。

◆GDNは“届けたい人”を自分で定義できる広告

GDNには、年齢・性別・興味関心など多彩なターゲティング手法がありますが、中でも活用度が高いのが以下の設定です。

GDNターゲティング機能の理解を深めるポイント
カスタムセグメント:検索キーワードやURLなどを指定して、「こういう人に届けたい」という理想像を広告主自身で定義できる。
※指定したURLやアプリに直接配信されるわけではなく、それらに関心のある/訪問しそうなユーザーが対象です。
オーディエンス拡張(Optimized targeting):自社の設定したオーディエンスに近い属性のユーザーへ、自動で配信を拡大してくれる機能。
※類似ユーザーに代わる仕組み。自動最適化される一方で、ターゲットの完全制御は不可のため、設計には注意が必要です。

◆GDNは“今すぐの客”ではなく“未来の見込み客”に出す広告

リスティングと違い、GDNの多くは「今すぐ買いたい」ではなく「まだ興味段階」の人に届きます。
だからこそ、「どんな興味を持っていそうな人に見せるか?」を明確にする必要があります。

以下に、GDNでよく使われるセグメント手法とその活用例を整理しました。

【GDNのターゲティング手法と活用例一覧】

ターゲティング手法 設定内容 主な活用例
カスタムセグメント(キーワード) 関連する検索語句を指定 「DX推進」「SaaS比較」など、調査段階の層にアプローチ
カスタムセグメント(URL) 関連サイトを指定 競合サイト・業界メディア読者に配信(※直接配信ではない)
オーディエンス拡張(自動配信) 既存オーディエンスに似た層へ自動で拡大 自社のCVユーザーに似た層へ最適化して配信を拡張
オーディエンスリスト 自社サイト訪問履歴など 過去接点のあるユーザーに再アプローチ(リマーケ)

※「類似セグメント」は2023年にサポート終了。現在はオーディエンス拡張で自動的にカバーされます。

表のように、「意図(どんなユーザーに届けたいか)」と「設定(どの手法を使ってターゲティングするか)」をセットで考えることで、届ける相手像がぶれずに明確になります。

✅ BtoB SaaSの場合

 例えばBtoB向けSaaSのリード獲得なら、以下のような設計が効果的です。

・カスタムセグメント(URL)で「業界特化メディア」訪問者を指定
・キーワード「業務効率化」「SaaS比較」などで興味関心層を広くカバー
・LP訪問者のオーディエンスに基づいて、オーディエンス拡張を有効化し、配信を最適化

このように段階的に精度を高めることで、GDNでも“意味のあるリーチ”をつくることができます。

「なんとなく配信」から「根拠ある設計」へ

GDNは、設定の自由度が高いぶん、やみくもな配信では成果が見えにくくなります。
届けたい相手像をはっきり描き、「その人が興味を持つ軸」で設計することがポイントです。

キーワード意図別 × 自動入札の最適設定

リスティングの成果を大きく左右するのが、「キーワードの意図に合わせた入札戦略」です。
単にキーワードを設定するだけでは、成果にはつながりません。

広告が表示される「検索意図」と、Google広告の「自動入札戦略」がかみ合ってこそ、クリック単価も成果も最適化されていきます。

検索キーワードは「3つの意図」に分類できる
🔍 情報収集キーワード:例)○○とは、○○ 比較
🤔 検討・比較キーワード:例)○○ メリット、○○ 評判
💡 今すぐニーズキーワード:例)○○ 申し込み、○○ 見積もり

それぞれにユーザーの“温度感”があり、表示する広告内容も入札戦略も変えるべきです。

◆意図別に見る「おすすめの入札戦略」

意図の違いにあわせて、自動入札戦略の使い方も最適化しましょう。

【検索意図 × 入札戦略のベストマッチ表】

検索意図 ユーザー心理 おすすめの入札戦略 設計のポイント
情報収集 課題の把握中。「まず知りたい」 クリック重視(例:クリック単価の目標設定) 表示機会を増やし、低単価で広く接点をつくる
比較検討 情報を整理しながら前向きに検討 CV数の最大化 CV率に合わせて自動調整し、効果的に誘導
今すぐ行動 すでに購入・申込を決めている 目標CPA制・目標ROAS(広告の費用対効果) 即決ニーズに訴求し、コスト効率を重視

例えば、「○○とは」と検索している人に高単価で出稿しても、費用対効果は上がりません。
逆に「○○ 申し込み」での検索には、しっかり投資してでもCV獲得を狙いたいところです。

◆ キーワードの“温度感”にあわせて訴求も調整する

入札だけでなく、広告文やLPの内容も意図にあわせて変えることが大切です。

✅ 情報収集層には、読み物的コンテンツや無料ガイド資料などで“まずは知ってもらう”設計に。
✅ 検討層には、料金比較・他社との違い・口コミなど、検討判断に役立つ情報を。
✅ 今すぐ層には、価格・スピード・安心感など、“すぐ決められる要素”を明確に提示しましょう。

検索キーワードは、単なる文字列ではなく「今どんな気持ちで検索しているか」を教えてくれます。
その温度にあわせて出し分けることで、無駄なクリックを減らし、確度の高いCVにつなげられます。

GA4・GTM連携と同意モードv2対応

広告成果を正しく評価するには、「計測の精度」が欠かせません。
特に近年はCookie規制やプライバシー保護の強化により、従来のCV計測ではカバーしきれない場面も増えてきました。

そんな中で注目されているのが、GA4(Googleアナリティクス4)とGTM(Googleタグマネージャー)の連携による計測強化と、同意モードv2の対応です。
設定の見直しによって、これまで取りこぼしていたCVデータも取得できるようになります。

◆GA4とGTMを正しく連携できているか

GA4とGTMの連携は、CVを計測するうえでの“基盤”になります。

基本的な構成は次のとおりです。

・ GTMでGoogleタグ(gtag.js)を全ページに設置
・ GTMから「GA4設定タグ」と「GA4イベントタグ」を発火
・ GA4側で、イベントをコンバージョンとして登録

👉特に「GA4設定タグ」が抜けていたり、すべてのイベントで正しく参照されていないと、CVが計測されない原因になります。

イベント設定時は、常に「GA4設定タグを参照しているか」を確認しておきましょう。

◆同意モードv2とは?|2024年以降は対応必須に

Googleが提供する「同意モードv2」は、Cookieの使用に関してユーザーの同意状況を考慮しながら、計測の可用性を維持する仕組みです。

同意がある場合:通常通りCookieを利用して計測

同意がない場合:匿名データを使って補完(モデリング)

この対応により、たとえCookieが取得できない環境でも、AIが「推定値」としてCVをモデリングしてくれるため、広告の効果測定が可能になります。

※2024年3月以降、同意モードv2はEU圏などで必須対応とされており、国内でも早めの導入が推奨されています。

◆導入に必要な3つのステップ

同意モードv2を導入するには、次の3ステップが基本です。

1.CMP(同意管理プラットフォーム)を導入
例:Cookiebot、Usercentricsなど
2.GTMでの設定追加
→「同意の初期状態」を指定し、タグの発火条件に“同意シグナル”を組み込みます。
3.Google広告・GA4側での確認
→データ保持、モデリング状況、タグの発火などをチェック

CMPは無料プランでも十分に導入可能なものもあるため、まずは自社の同意取得フローの確認から始めるのがおすすめです。

◆同意モードv2対応で変わる“CVデータの信頼度”

これまで「CVが急に減った」「成果が出ていないように見える」と悩んでいたケースでも、実際は“計測できていなかっただけ”ということがよくあります。
同意モードv2によって、これらの取りこぼしデータを補完できるようになれば、広告施策の評価がより正確になります。

広告の成果を“見える化”する意味でも、GA4・GTM連携とあわせて、まずは、「GA4設定タグがすべてのイベントで参照されているか?」をチェックするだけでも、成果の“取りこぼし”に気づけます。

GDN×リスティング併用で成果を最大化

「GDNとリスティング、どちらを使うべきか?」
そんな迷いを持つ方も多いですが、実は“片方だけ”ではなく、組み合わせて使うことで広告成果を大きく伸ばせるケースが増えています。
それぞれの広告は、まるでマーケティングファネルの上下にいるユーザーをつなぐ“はしご”のような存在です。

GDNで潜在層と接点をつくり、リスティングで顕在層を着実にコンバージョンへ導く。
このように、広告の役割を分けて連携させる設計が、成果最大化のカギになります。

この章では、GDNとリスティングを併用するメリットや具体的な使い方について、3つの視点から実践的に整理していきます。

ファネル別使い分けと役割

GDNとリスティングは、それぞれが得意とするユーザー層や到達タイミングが異なります。
だからこそ、「ファネルのどこにいるユーザーに向けた広告か?」を意識して使い分けると、ムダなく効果的な配信設計ができます。

◆GDNとリスティングの役割を“ファネル構造”で見る

まずは、以下の表をご覧ください。

【ファネル構造 × GDN・リスティング広告の役割イメージ】

ファネル段階 ユーザー状態 適した広告 設計のポイント
潜在層(認知) 自分の課題にまだ気づいていない GDN(バナー・動画) 興味を引くビジュアルと共感ワードで“気づき”を与える
準顕在層(比較検討) 情報収集中、他社と比較している GDN+リスティング併用 GDNで再接触(リマケ)、リスティングで検索意図に応答
顕在層(今すぐCV) 明確なニーズがありすぐにCVしたい リスティング広告 ニーズ直撃の訴求+CVしやすいLP設計を重視

このように、ユーザーの認知〜検討〜決定の流れにあわせて広告を設計することで、「見られるだけの広告」ではなく、「成果につながる広告」へと変えていけます。

◆ リード獲得単価を抑えるには“GDN→リスティング”の順が有効

例えばBtoB商材のように検討期間が長いサービスでは、いきなりリスティングでCVを狙うよりも、先にGDNで接点をつくっておく方が、CVまでの単価が下がるケースが多くなります。
GDNでブランドを認知 → 数日後に検索 → リスティング経由でCV
という流れをつくることで、クリック単価の高いリスティングでも、無駄なく成果を狙えるようになるのです。

◆役割を切り分けることで、無駄なクリックも減らせる

広告を併用することで、配信の「目的」が明確になります。
GDNは“知ってもらう”、リスティングは“買ってもらう”というように、媒体ごとの役割を意識して設計しておくと、出稿後の見直しや改善判断もスムーズになります。

リマーケティングとP-Max連携のコツ

「広告は見られて終わり」ではなく、“覚えてもらい、再訪してもらう設計”が成果に直結します。
そこで活用したいのが「リマーケティング」と「P-Max(Performance Max)」の連携です。

どちらも、過去に接点があったユーザーへ再アプローチできる強力な手段です。
うまく使い分けることで、獲得単価の抑制やCV数の安定化に効果を発揮します。

◆リマーケティングで“取りこぼし”を回収する

一度サイトを訪れた人が、すぐにCVするとは限りません。
リマーケティングは、その「まだ迷っている人」に再度接触できる仕組みです。

よくある活用例には、以下のようなものがあります。

・ LPを訪問したがCVに至らなかったユーザーにGDNでバナー配信
・ 比較系キーワードで検索したユーザーに限定してリスティング配信
・ 1週間以内に訪れたユーザーだけに限定したリマーケティングリストを作成

一度興味を持ったユーザーだからこそ、再度の接点はCVに繋がりやすくなります。

◆P-Maxは“自動最適化”でリーチを広げつつ効率的にCVを狙える

P-Maxは、Googleが提供する自動最適化型の広告キャンペーンです。
検索・GDN・YouTube・Gmailなど、複数のチャネルを横断して配信できるのが特徴です。

特に、以下のようなケースで効果を発揮します。

・ 広告の接触ポイントを広げたいとき(潜在層〜顕在層までカバー)
・ 配信ボリュームを担保したいとき(単独チャネルでは限界がある場合)
・ 自動入札でコンバージョン最大化を狙いたいとき

設定項目も少なく、運用負荷が軽いため、リマーケティングに加えた“もう一手”として組み合わせやすい選択肢です。

◆連携時のポイント|役割を明確にして競合しない設計

リマーケティングとP-Maxを併用するときは、ターゲティングの重複に注意が必要です。
以下の工夫で、目的が混ざらない設計にできます。

・ リマーケティングは「過去の接触者のみ」、P-Maxは「新規ユーザー中心」に設計
・ GDNのカスタムセグメントでP-Maxの配信対象を除外
・ タグ設計・コンバージョン定義を明確に分けておく

このように役割を分けて設計しておけば、  「今すぐCVする人」も「迷って戻ってくる人」も、それぞれ適切な導線で拾えるようになります。

アトリビューションで見る補完関係

「GDNとリスティングは、どちらが成果に貢献しているのか」
この問いに対して、表面的なCV数だけで判断するのは危険です。

実は、多くのケースでGDNとリスティングは“一連の流れの中で役割分担をしている”ことが多いからです。
そこで参考になるのが、「アトリビューション」という考え方です。

◆アトリビューションとは?|成果までの“貢献度”を可視化する指標

アトリビューション(Attribution)とは、1件のCVに対して、どの広告接点がどのくらい貢献したかを評価する仕組みです。

例えば、以下のような行動があった場合

① GDNでバナー広告を見てサイトを訪問
② 数日後に再検索し、リスティングからCV

このとき、最後の「リスティング」だけでなく、最初の「GDN」もCVに貢献していたと考えられます。
アトリビューションを理解していないと、「GDNはCVしてないから効果がない」と見なしてしまうリスクがあります。

◆よく使われるアトリビューションモデル

Google広告やGA4などでよく使われる主なアトリビューションモデルは以下の通りです。

【よく使われるアトリビューションモデルと特徴一覧】

モデル名 特徴
最後のクリック(ラストクリック) 最後にクリックされた広告に100%の貢献度を割り当てる
線形(リニア) すべての接点に均等に貢献度を割り当てる
接点減衰(タイムディケイ) CVに近い接点ほど貢献度が高くなる
データドリブン 実際のCVデータに基づいて貢献度を自動で算出

特に「データドリブンモデル」は、GDNとリスティングの連携による貢献度の見えにくい部分を客観的に評価できるためおすすめです(※アカウントによって利用条件あり)。

◆補完関係が見えてくると、配信設計の視野が広がる

アトリビューションの考え方を導入すると、広告施策を「一連の流れ」で捉えられるようになります。

・GDNは、初回接触やリマーケティングによる“気づき”のきっかけをつくる
・リスティングは、“検討”や“意思決定”のタイミングで確実にCVに結びつける

このように、役割が異なる2つの広告を「点」ではなく「線」で捉えると、成果の最大化にはどちらも必要な存在であることが見えてきます。

GDNが成果につながっていないように見えても、アトリビューションの視点で見直すと「実は入口をつくっていた」と気づけるケースは少なくありません。
誤った判断で効果的な広告を止めてしまわないように、接点ごとの役割を一度俯瞰して捉え直してみましょう。

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よくある失敗と改善チェックリスト

広告運用に慣れてきたころ、「クリック数は増えているのに成果につながらない…」と感じたことはないでしょうか。
GDNやリスティングには、見落としやすい“落とし穴”があります。
成果を出しているアカウントでも、ちょっとした設定ミスや設計のズレで、機会損失が起きてしまうことがよくあります。

この章では、実務でよくあるつまずきポイントを3つに分けて紹介しながら、すぐに見直せる改善アクションを整理しました。
「なぜ効果が出ないのか」がはっきりすると、広告改善が前向きに進みます。

クリックは多いのにCVが伸びない3要因

広告経由でサイトへの流入はあるのに、CVにつながらない…このような状況には、次のような要因が隠れているケースが多いです。

【CVが取れない3つの要因と対処法】

よくある原因 起こりやすいパターン チェックポイント 見直しのヒント
① 広すぎるターゲティング GDNで配信対象が漠然としている ターゲットセグメントの条件は具体的か? 興味関心や行動履歴をもとに絞り込みを
② 広告とLPの不一致 リスティングの訴求とページ内容がズレている 広告文とLPの見出しが一貫しているか? 同じキーワードを意識して表現をそろえる
③ コンバージョンタグの不発火 計測が正しく動いていない GA4やGTMでCVイベントが検知されているか? タグマネージャーでの発火条件と設定ルールを再確認

このような「クリック→CV」の間にあるボトルネックを解消するだけで、広告成果が一気に改善されることもあります。

無駄クリックを防ぎ成果を守る除外リスト

GDNでもリスティングでも、「本来届けたい人ではないユーザーへの配信」は避けたいところです。
無関係なクリックが増えると、CPAが上がるだけでなく、本来届けたい層に届く機会も減ってしまいます。

よくある無駄クリックの例

・リスティングで「無料」や「アルバイト」などのキーワード検索者に出してしまう
・GDNで関係のないジャンル(漫画・芸能ニュースなど)にバナーが出てしまう
・BtoB商材なのに個人ユーザーがLPに流入してしまう

これらを防ぐには、除外キーワード/除外プレースメントをしっかり設計しておくことがポイントです。

チェックしたい除外設定

・リスティング:検索語句レポートを定期チェックし、不適切な検索語を除外
・GDN:配信先URLやジャンルのレポートを確認し、不適切なプレースメントを除外
・地域やデバイス、時間帯など、パフォーマンスの悪い条件も除外候補に

ちょっとした設定の見直しで、無駄なクリックを減らし、成果を守ることができます。

Before/After改善ストーリー

改善のアイデアはあっても、「本当に効果があるの?」と疑問を持たれることもあるはずです。
そんなときは、改善前後の変化を「ストーリーで見せる」ことが効果的です。

広告改善のBefore/After事例

例:リスティングの広告文改善
・Before:価格訴求だけを前面に押し出した広告
・After:価格+初回無料+レビュー評価を組み合わせた広告に変更
クリック率が1.2倍、CVRが1.5倍に改善
例:GDNの配信面見直し
・Before:ジャンル問わず広く配信
・After:ビジネス系サイトや業界特化メディアに絞って配信
CTRは横ばいでも、CVRが2倍にアップ

このように、「何を変えて、どう成果が変わったか」を具体的に示せると、社内やクライアントへの説明にも説得力が増します。


この章では「ありがちなつまずき」を見える化しましたが、どれもすぐに着手できる改善策ばかりです。
小さな見直しの積み重ねが、大きな成果につながっていきます。
広告運用に迷ったら、ぜひこのチェックリストを思い出してくださいね。

まとめ|“違い”を理解すれば、最適な広告選びができる

GDNとリスティング、それぞれの特徴や効果的な使い分け方について、ここまで体系的に整理してきました。
広告運用は「やみくもに出すもの」ではなく、ユーザー心理・表示面・数字・設計までをセットで捉えることで、納得感のある運用へと変わっていきます。

ここで改めて、記事全体の要点を振り返りましょう。

📌 本記事で押さえた“広告判断の6ステップ”

1.違い:
GDNは「興味を広げたい層」に視覚的に届く広告、リスティングは「今すぐ知りたい層」にテキストで訴求する広告。
2.判断軸:
掲載面やCPAだけでなく、「表示のタイミングとユーザー心理」をセットで考える視点が大切。
3.数字:
平均CPC・CPA・CVRのデータをもとに、費用対効果と継続性(LTV)を踏まえて評価。
4.設定:
ターゲティングやキーワード意図を軸に、配信設計と計測の精度を高めることで“伝わる広告”へ。
5.併用:
GDN×リスティングを役割で分けて使い、ファネルごとの接点強化やP-Maxとの連携も検討。
6.改善:
CVに至らない要因をチェックリストで見直し、無駄クリックや訴求ズレを解消して運用効率をUP。

この一連の流れを意識すれば、「なんとなく出す広告」から、「成果を見据えて選ぶ広告」へと、考え方が大きく変わっていけます。

最終的な目的は、ただ配信するのではなく、“利益につながる広告設計”を実現すること。
これまでに得た視点を活かしながら、最適な広告運用へ一歩踏み出していきましょう。

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